種別 論文
主題 遠心力による細骨材の表乾状態調整方法
副題
筆頭著者 加賀秀治(大成建設)
連名者1 吉兼亨(大有建設)
連名者2 辻幸和(群馬大学)
連名者3 飛坂基夫(建材試験センター)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 25
末尾ページ 30
年度 1989
要旨 はじめに
レデーミクストコンクリートの製造における品質変動要因の一つとして、細骨材の表面水率が挙げられる。JIS A 5308(レデーミクストコンクリート)によるJISマーク表示許可工場においては、同JISの審査事項により1日2回以上細骨材の表面水率を測定することが義務づけられているが、より安定した品質のコンクリートを製造するためには、表面水率の測定回数を増やして、その変動に対応する必要がある。そのために、迅速かつ正確に表面水率を測定する試験方法の確立が望まれている。この一つの方法として、遠心力を利用して細骨材の表面に付着している水分を脱水し、脱水前後の質量差から表面水率を求める方法が考えられる。この方法については、既に筆者らのうち吉兼、辻らが実験的検討を行ってきた。 本研究は、全国生コンクリート工業組合連合会内に設けられた「細骨材表乾調整小委員会」の委員会活動の一環として実施したもので、遠心力により細骨材の表乾状態を調整する上で検討が必要な各種要因について実験的な検討を行い、表乾に近い状態に調整するための条件を明らかにすることによりコンクリートの工程管理用試験方法の一つとし〔細骨材表面水率試験方法(JIS原案)〕を作成することを目的とした。なお、本報告で述べる方法は、JIS A 1109(細骨材の比重及び吸水率試験方法)の方法にとってかえることを意図したものではなく、表面水率の測定を迅速且つ正確に求める方法を確立することを目的としたものである。
まとめ
生コンクリート工場における工程管理用試験方法の一つとして、遠心力による脱水を利用して表乾状態を調整し、この結果を利用して表面水率を求める方法について実験的な検討を行ったその結果以下のことが明らかとなった。 (1)標準的な粒度分布の細骨材は、遠心力による脱水によりJISの方法により作製した表乾に近い状態に調整することが可能であり、従って本方法を応用することにより細骨材の表面水率を迅速且つ正確に求めることができる。 (2)0.3mm以下の微分量が30%以上の細骨材の場合には、遠心吸水率とJIS吸水率の差が大きくなる。このような試料については、脱水条件を変えた実験的検討が必要である。 (3)吸水率の標準偏差は、遠心吸水率とJIS吸水率の間に差は認めらなかった。しかしながら、測定における個人誤差を考えると遠心吸水率の方が変動は小さくなると推察される。 (4)試料の含水率の変化が遠心吸水率に及ぼす影響はわずかである。 (5)試料中に含まれる洗い損失量の変化が遠心吸水率に及ぼす影響は、洗い損失量1%について0.15%程度である。 (6)試料の含水率と遠心表面水率の間には比例関係が認められた。 (7)表面水率は、測定方法によって多少差が認められ、遠心吸水率とJIS吸水率との差の大きい標準粒度範囲から外れる試料ほど、その差が大きくなる。
PDFファイル名 011-01-1001.pdf


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