種別 | 論文 |
主題 | モルタルバーの貯蔵方法がアルカリ・シリカ反応に及ぼす影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 金光真作 (鴻地組) |
連名者1 | 三浦重義 (鴻地組) |
連名者2 | 山本俊夫 (鴻地組) |
連名者3 | 川西順次(鴻地組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 71 |
末尾ページ | 76 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき アルカリ・シリカ反応は、温度や湿度などの環境条件が大きく影響することはよく知られているが、それ以外にも貯蔵設備の気密性が影響することもわかった。筆者らが行った実験によると、貯蔵中のモルタルバーを14日〜3か月間、気密性が悪い状態にすると反応性が大幅に減少し、全く反応性を示さなくなり、一方モルタルバーを塩化ビニールシートで覆い、気密性を向上させた実験の場合には、通常の貯蔵(ASTM C 227、6)を行った場合に比べ膨張発現期間が1か月間程度長くなり、膨張量も約17%大きくなるなど、アルカリ・シリカ反応は空気と接触する環境下では、反応性が著しく減少する結果が得られた。また、小林らにより、モルタル細孔溶液中のイオン濃度(Na+、K+、OH-)は、密封状態で養生をした場合は経時的な変化がないのに対し、開放状態の場合は材令26週まで時間の経過ともに低下することが報告されており、空気との接触がモルタル細孔溶液のイオン濃度に影響することを明らかにしている。 以上の結果が得られていることから、この実験では貯蔵方法がモルタルバーの膨張に与える影響を、より明らかにするため、貯蔵条件として気密性(モルタルバー貯蔵設備の気密性)、湿度、及び温度の3項目のそれぞれについて膨張に影響する程度を調べるとともに、アルカリ・シリカ反応の反応性が低下する原因について調べた。以下に実験結果を報告する。 まとめ 今回の実験で得られた結果をまとめると次のようである。 (1)モルタルバーの貯蔵に際し、若材令時の貯蔵状態がアルカリ・シリカ反応の発現に与える影響の程度は、モルタルバーの貯蔵設備の気密性が最も大きく影響し、ついで貯蔵湿度の影響が大きいが、貯蔵温度については影響が小さい。 (2)気密性が低い状態で貯蔵したモルタルバーには、炭酸カルシウムが生成されており、また中性化も進行していた。 (3)溶液中への溶解性シリカの溶出はpHが13以上と高い場合におこり、これ以下のpH値ではほとんど溶解しない。 |
PDFファイル名 | 011-01-1009.pdf |