種別 論文
主題 アルカリ骨材反応に及ぼすイオン交換性鉱物の影響
副題
筆頭著者 藤原忠司 (岩手大学)
連名者1 多田元彦 (岩手大学)
連名者2 大塚尚寛(岩手大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 77
末尾ページ 82
年度 1989
要旨 まえがき
アルカリ骨材反応が発生する必須の条件の一つとして、コンクリート中にアルカリの存在することが挙げられる。一般に、アルカリの供給源としては、使用材料のセメント、化学混和材・剤、海砂・海砂利等および環境条件にかかわる海水、融氷剤等を考慮しているが、セメントを除けば、アルカリ供給源として果たすその役割に不明な点が多いとされている。 骨材の場合、上述の海砂・海砂利の外にも、アルカリを解離する鉱物を含む骨材がアルカリ供給源として指摘されているものの、その影響の実態についてはほとんど明らかにされていない。骨材はアルカリ骨材反応を引き起こす主体であり、その反応性については充分な配慮が払われている。これに対し、それ自体に反応性はなくとも、アルカリを供給して共存する反応性骨材のアルカリ骨材反応を助長するような骨材が存在するとすれば、それへの配慮が現時点では欠落しており、アルカリ骨材反応問題の重大な陥穽のひとつになり得ると考えられよう。 本研究では、このような恐れのある骨材の存在の有無を調べる前の段階として、コンクリート中でアルカリを解離するような鉱物が混入した場合に、反応性骨材のアルカリ骨材反応が助長される可能性について検討している。
あとがき
本実験により、それ自体でアルカリ骨材反応を引き起こす性質がなくても、モルタル中でナトリウムイオンなどを解離する鉱物は、共存する反応性骨材のアルカリ骨材反応を助長する可能性のあることが認められた。しかも、添加した鉱物の量が比較的少ないにもかかわらず、モルタルの膨張の増分がきわめて大きくなる可能性のある点に注意を要する。用いた鉱物には、人為的処理を加えてイオン交換能力を高めており、これがアルカリ骨材反応を著しく助長した原因であると推察されるが、もし天然にも同様の作用を果たす鉱物が存在するとすれば、看過できない問題であり、今後究明を要する課題と言えよう。
PDFファイル名 011-01-1010.pdf


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