種別 論文
主題 フェロニッケルスラグのアルカリ骨材反応性試験について
副題
筆頭著者 小林正几 (法政大学)
連名者1 加賀秀治 (大成建設)
連名者2 横山昌寛(ワイエスエンジニアリング)
連名者3 杉山鉄男(大平洋金属)
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
1
先頭ページ 111
末尾ページ 116
年度 1989
要旨 はじめに
フェロニッケル製錬時に発生するフェロニッケルスラグは、年間200万tに達している。このスラグをコンクリート用骨材としての有効利用をはかる実験研究が、土木学会、日本建築学会を中心として多年行われてきた。日本鉱業協会では、以降引続きフェロニッケルスラグのアルカリシリカ反応性に関して、重点的な研究を行ってきた。これらの研究結果から、JIS A 5308(レデーミクストコンクリート)の化学法については、アルカリ濃度減少量(Rc)および溶解シリカ量(Sc)の各試験所間でのクロス試験結果のばらつきが異状に大きく、更に化学法における有害度の判定とモルタルバーの膨張量による判定とには明確な関連性がない点が判明した。本実験研究では、化学法における実験方法の差が結果に与える影響およびRc、Scの量とモルタルバーの膨張量との関係を3種のフェロニッケルスラグ細骨材について試験し比較検討を行った。
おわりに
これ迄のフェロニッケルスラグのアルカリシリカ反応性に関する実験研究から次のことが言えよう。(1)Rcの滴定は、大気の影響を受けない不活性ガス中で行うと実験精度が良くなる。 (2)吸引ろ過中の室内雰囲気は、極端な酸、アルカリガスのない通常の分析室で良い。 (3)反応容器の材質は、ステンレス又はテフロンで良いが、十分洗浄する必要がある。 (4)Scのシリカ定量試験は、JIS重量法とJISG1212を参考とした修正法とでは差がなく、又ICP発光分析法の採用により、測定時間が大巾に短縮できる。 (5)試料の粒径150〜300μmの粒子の場合、粒径の小さい程Rc、Seが大となる。 (6)反応時間24h経過後でも反応は持続する。 (7)反応液を吸引ろ過の操作で、JIS法と攪拌法とでは、Rcの測定値が大巾に異なる。 (8)反応温度70、80、90℃では、Rc、Scの測定値が急激に変化する。 (9)水洗による微粉の除去の程度は、結果に重大な影響を与える。 (10)上記(1)〜(9)項については、(7)項を除いて岩手県久慈川産川砂の試験結果も同様の傾向を示している。 (11)適切に処理されたフェロニッケルスラグの風砕、乾砕は、化学法では有害でも、モルタルバー法では全て規格を満足している。 (12)膨張量に対し、Scの量は関係するが、RcおよびSc/Rcの関係は明確でない。なおロータリーキルン法スラグ水砕は、現在モルタルバー法試験中であるが、現在のところ、電気炉スラグ風砕、乾砕と同様の挙動を示している。
PDFファイル名 011-01-1016.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る