種別 | 論文 |
主題 | モルタルの急速硬化によるコンクリート強度判定の一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 川上英男 (福井大学) |
連名者1 | 八木淳一 (清水建設) |
連名者2 | 脇敬一(福井大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 147 |
末尾ページ | 152 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに コンクリートの強度判定において最も望ましいのは、コンクリートが打込まれる前に判定結果が得られることである。そうなれば、不適格なコンクリートの打込みを未然に防止出来るので品質確認のための手段から一歩進んで積極的な品質管理への道を開くことになる。 レデーミクストコンクリート工場から打込み現場まで、通常、積み込み3分、走行10−50分、待ち時間5−15分、荷卸し5−10分と言われている。また走行時間の平均は30分前後とされている。即ち、30−40分で判定結果が得られれば、上記のように打込みの可否を指示できる場合が格段に増大するものと言えよう。さて、コンクリート強度の早期判定法の内、単位セメント量、単位水量、水セメント比の判定法は所要時間が10−30分、特に振動法では1分と極めて短く、上記の目的に適合するものであるが、その検査結果はコンクリートの製造過程における材料の計量を確かめるに留まっている。また、促進強度試験方法は硬化の過程をも含むものであるが、コンクリートを対象とする温水法では約24時間、モルタルを対象とする急速硬化法では約120−80分(うち高温養生90−50分)である。 本報告はこのうちのモルタル急速硬化法に沸騰水中30分養生を試みた結果(以下煮沸法と言う)について述べるものである。また20分養生の場合についても言及した。 むすび 以上の検討からモルタルの煮沸法による急速硬化強度からコンクリート28日圧縮強度を判定する可能性が見出された。また試験操作時間の正確さが大切であること、第一番目のモルタル強度を対象とし2、3番目を確認資料とする方が判定精度が良くなることなどの特徴も明らかとなった。今後広範囲の実験による検証が望まれる。 コンクリート製造における計量精度の向上、自動化の普及に伴って、その品質早期判定の重点は経常的な品質変動より偶発的な事故の発見と防止に移りつつあるとも言えよう。その意味でコンクリート打ち込み前に判定出来る迅速性が重要であり、本報告のモルタル煮沸法はその一つの可能性を示すものである。 |
PDFファイル名 | 011-01-1022.pdf |