種別 論文
主題 高強度コンクリートワーカビリチーに関するL型フロー試験法による研究
副題
筆頭著者 米澤敏男 (竹中工務店)
連名者1 和泉意登志 (竹中工務店)
連名者2 三井健郎 (竹中工務店)
連名者3 奥野享 (竹中工務店)
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
1
先頭ページ 171
末尾ページ 176
年度 1989
要旨 はじめに
設計基準強度が400〜600kg/cm2あるいはそれを上回る高強度コンクリートは、従来、主にプレキャストコンクリートに使用されてきたが、近年、高層ないしは超高層住宅を中心に、このような高強度コンクリートが、場所打ちコンクリートにも多く使用されるようになった。高性能減水剤を使用したこの種の高強度コンクリートは、水セメント比が小さいために、通常のコンクリートに比べて粘性が極めて高い。そのため、充てん性や圧送性等の施工性をスランプのみによって判定するのが困難である。すなわち、高強度コンクリートの施工性は、降伏値を代表する指標であるスランプとともに粘性をも考慮して判断する必要が生じている。L型フロー試験法は、コンクリートの粘性と降伏値に関連した二つの指標をコンクリートプラントや施工現場でスランプ試験と同様簡便に測定することを目的に筆者らが考案した試験法である。この研究は、高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートのワーカビリティーをL型フロー試験法により調べ、高強度コンクリートのワーカビリティーとL型フロー試験法の性質に関して考察を行ったものである。
結論
高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートのワーカビリティーとL型フロー試験法に関して、本研究により以下の結論が得られた。(1)粘性を表す指標であるL型フロー速度は、水セメント比の変化に敏感に反応し水セメント比が小さく粘性が高い程小さい値を示す。(2)高性能AE減水剤には添加量を増して降伏値を低下させてもコンクリートの粘性は変化しないものと添加量を増して降伏値を低下させると粘性が増大するものの二つのタイプがある。(3)上記特性のためにあるタイプの混和剤では、L型フロー速度と水セメント比の関係は、単位水量、スランプ、温度に影響されないが、別のタイプの混和剤ではこれらの因子に影響される。(4)高性能AE減水剤においてスランプのような降伏値を保持するメカニズムと粘性を増大させるメカニズムとは全く別のものである。(5)L型フロー試験法は、スランプ値15cm程度以上の比較的流動性の高いコンクリートのワーカビリティー測定に適している。(6)L型フロー試験法は高強度コンクリートの品質管理に利用できL型フロー速度により水セメント比の概略の管理が行えると考えられるが、添加量がL型フロー速度に影響するタイプの混和剤を使用する場合には、このような管理が難しくなると考えられる。
PDFファイル名 011-01-1026.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る