種別 | 論文 |
主題 | 表層部コンクリートの品質判定方法に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 笠井芳夫(日本大学) |
連名者1 | 長野基司(セメント協会) |
連名者2 | 佐藤孝一 (熊谷組) |
連名者3 | 菅一雅 (熊谷組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 177 |
末尾ページ | 182 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリート構造物の劣化は、そのほとんどがコンクリートの表面部から進行していくものであり、構造物の耐久性にとって表層部品質は重要な支配要因となる。この点に着目し、コンクリート表層部の品質改善を目的としたいくつかの工法がここ数年来、提案・実用化されている。これらの工法による耐久性改善については、試験体から切り取ったコア供試体の促進試験などによりその効果が確認されているが、実施工に当たっては管理試験として、現場で行える品質判定方法が必要となる。この品質判定方法は、簡便な方法でかつ表層部品質を的確に把握できることが望ましい。筆者らはこれまで簡易試験としての簡易透気、・吸水試験結果とコンクリートの細孔構造、促進中性化速度との関係について報告している。本報告は上記2試験法と合わせて細孔構造と圧縮強度との間に相関性がある点に着目し、ピンの引き抜き強度、表層部引張強度と促進中性化速度との関係を検討し、表層部コンクリートの品質判定方法として簡易透気、・吸水試験、ピンの引き抜き試験、表層部引張試験の適用性について評価を行ったものである。 まとめ 1)簡易透気・吸水試験はコンクリートの細孔構造を直接的に評価する試験であり、コンクリート表層部の品質判定のための有効な試験方法である。2)表層引張試験、ピンの引き抜き試験は促進中性化試験結果と十分な相関を示しており、コンクリート表層部の品質判定法として有効な試験法である。また、両試験方法は一般型枠を用いるコンクリートの場合、圧縮強度の検定も同時に行うことができる。3)表面引張試験はコンクリートのカット深さを変えることにより、深さ方向の品質変化を把握することかできる。4)今回行った4種類の品質判定法はいずれも簡易に行える試験方法であり、コンクリート工事に伴う管理試験に十分適用できることがわかった。5)本報告では4種類の試験法がコンクリートの表層品質判定に十分適用できることを示したが、今後さらに実構造物への適用や実験を重ね、各試験値からコンクリート表層品質の定量的な推定を可能とし、耐久性の判定基準の確立を目指したい。 |
PDFファイル名 | 011-01-1027.pdf |