種別 論文
主題 コンクリートのクリープと乾燥収縮の予測式に関する感度解析
副題
筆頭著者 椿龍哉(横浜国立大学)
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連名者5  
キーワード
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先頭ページ 217
末尾ページ 222
年度 1989
要旨 序論
コンクリート構造物の長期の力学的変形挙動を正確に把握することは、構造物の耐久性や供用性を保証する上で、設計時に検討されるべき重要な事項である。構造物の長期の力学的変形挙動を支配する要因としては、コンクリートのクリープと乾燥収縮があげられる。しかし、これらの材料特性には、弾性係数や強度などよりも、はるかに大きな統計的変動が含まれていることがこれまでに報告されている。現在使用されているクリープと乾燥収縮に関する種々の予測式は、平均値のみを与えるため、このような統計的変動をもたらす要因の影響を合理的に予測することができない。しかし、実際には種々の変動要因が大きな影響を与える可能性あり、それらの予測式を用いる際には、このような統計的変動の影響に関する情報が必要である。すなわち、変動要因の種類とその影響度を定量的に把握しておく必要がある。一般に、コンクリートのクリープと乾燥収縮の統計的変動は、多数の要因によって生じると考えられるが、それらの要因は次のように内部要因と外部要因に分けられる。内部要因(1)クリープおよび乾燥収縮の発生メカニズムに起因する変動 (2)配合等の材料特性に起因する変動 外部要因(1)構造物周辺の湿度や温度等の環境状態に起因する変動 (2)外荷重に起因する変動 これらの要因の中で、コンクリート構造物の時間依存変形に大きな影響を与えるのは内部要因よりも外部要因であると一般に言われている。このような種々の要因の統計的変動がクリープと乾燥収縮の予測値に及ぼす影響を正確に把握しておく必要があるのである。そこで、本研究では、現在クリープと乾燥収縮の予測式として使用されているものの中から、代表的なものとしてACIモデル、BPモデル、CEBモデル、およびRJモデルを選び、各モデルに含まれる種々のパラメータに統計的変動があるときに、それらの変動がクリープや乾燥収縮の予測値に及ぼす影響度を感度解析の手法を用いて検討する。なお、RJモデルはCEBモデルの原型であり、土木学会やDINで用いられているものである。
結論
以下に本研究で得られた結論をまとめる。クリープの予測式に関しては、湿度の変動の影響度が経過時間とともに大きく支配的になること、温度の変動の影響度は相対的に小さいことが確認された。また、乾燥収縮の予測式に関しては、湿度の変動の影響度が初期から相対的に大きいこと、温度の変動の影響度は相対的に小さいことが確認された。コンクリートの圧縮強度の変動は、クリープと乾燥収縮ともに、一般に湿度と温度の変動の中間的影響度を示す。モデル係数の変動の影響は、その定義より、どの予測式においても大きい。以上の結果から、本研究で対象としたクリープと乾燥収縮の予測式を使用する際には、各変動要因に関する上記の特性を考慮する必要があると思われる。
PDFファイル名 011-01-1035.pdf


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