種別 論文
主題 コンクリートの非線形破壊に及ぼす3軸拘束効果
副題
筆頭著者 前川宏一 (東京大学)
連名者1 竹村淳一(運輸省)
連名者2 入江正明 (日建設計)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
1
先頭ページ 253
末尾ページ 258
年度 1989
要旨 はじめに
コンクリートの非線形挙動は、塑性変形と微小ひびわれ発生に起因する弾性剛性の低下を意味する破壊(損傷)の2者に支配される。3軸応力下における塑性挙動については、多くの工学材料に対して、実験的、ならびに解析的側面から研究が報告されている。一方、微小ひびわれの導入に伴う弾性剛性の低下は、平面応力下に限れば、定量的にほぼ解明されている。しかし、3軸圧縮拘束下における破壊の進行特性については、岩盤、コンクリート材料共に解明すべき点を多く含んでいる。本研究は3軸圧縮応力下におけるコンクリートの非線形な破壊現象を支配する要因を実験的に分析し、3軸拘束状態の除荷・再載荷挙動の解析精度を向上させるに資する材料を提供することを目的とする。
まとめ
3軸拘束圧縮を受けるコンクリートの変形性状に関する研究は枚挙に暇がないが、繰り返し荷重を受ける、拘束鉄筋を有する柱の構造解析で使用に耐える構成式は、現時点でまだ得られていない。これは既往の3軸圧縮材料実験が、純粋な材料特性の解明に興味の主眼が置かれ、応用の観点から実施された実験が僅かであることが、大きな理由と思われる。そこで、本研究は比較的、拘束応力の小さい領域での挙動に研究上の視点を限定し、その領域で特徴的な弾性ひずみエネルギー蓄積能力の低下(破壊)を取上げ、以下の知見を得た。 (1)コンクリートは微小ひびわれの導入の如何にかかわらず、平均弾性ひずみエネルギーを完全に蓄積・放出する能力を有する。 (2)コンクリートは微小ひびわれの導入レベルに応じて、偏差(せん断)弾性ひずみエネルギーを蓄積し得る体積が、等方的に減少する。 これを、載荷経路に対して定量化する手法を提示し、その妥当性を2軸、3軸載荷試験から検証した。 なお、本研究における弾性破壊構成式と、3軸応力下における塑性構成式を連立することで、初めて構造解析に使用できる構成方程式の体を成す。後者のモデル化については、近い将来、公表する予定である。
PDFファイル名 011-01-1041.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る