種別 | 論文 |
主題 | 打設条件に起因する異方性がコンクリートの耐久性に及ぼす影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 西内達雄 (東京大学) |
連名者1 | 小林一輔 (東京大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 289 |
末尾ページ | 292 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 流動状態にあるコンクリートを一定の高さの型枠内に充填すると、コンクリートを構成している素材の一時的な分離が生じる。即ち、比重の大きい骨材などの粒子は沈降し、比重の最も小さい水は逆に上昇する。このためコンクリートの打設方向、即ち重力の作用する方向には水の上昇に伴い、連続する毛管空隙が生じやすく、この影響は一度に打設する高さが高くなるほど顕著になると考えられる。しかし、このような材料分離に関する研究は、強度などの力学的諸性状に関するものが大部分で、アルカリ骨材反応、鋼材腐食等といったような耐久性に関連した研究は、ほとんど行なわれていないのが現状である。このため本研究では、打設直後のブリージングを伴う材料分離によって生じたコンクリートの耐久性に関連する諸性状、即ち、アルカリ骨材反応による膨張性状、酸素の拡散性状、塩化物イオンの浸透性状等の異方性について検討を行なったものである。 まとめ 打設直後のブリージングを伴う材料分離により、コンクリート内部には鉛直方向に連続的な毛管空隙が形成され、その結果、鉛直方向の膨張をシミュレートした縦打ち供試体の膨張量の方が、水平方向の膨張をシミュレートした横打ち供試体の膨張量よりも大きく、酸素の拡散係数、塩化物イオンの浸透深さはともに鉛直方向の値の方が水平方向の値よりも大きくなることが明らかとなった。しかし材令が1年に達すると、酸素拡散係数に関しては異方性の影響はほとんど現れなくなる。またコンクリート部材の打設面に近い上層部では、酸素拡散係数、塩化物イオンの浸透深さはともに、鉛直、水平両方向からに対しても値は大きく、膨張圧もそれ以下の層より大きくなることがわかった。 |
PDFファイル名 | 011-01-1047.pdf |