種別 論文
主題 コンクリート構造物へのAE逆解析の適用
副題
筆頭著者 重石光弘 (熊本大学)
連名者1 大津政康 (熊本大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 311
末尾ページ 316
年度 1989
要旨 はじめに
弾性材料におけるアコースティック・エミッション(以下AEと略)現象そのものは、その弾性材料の微小な破壊(ひびわれ)の形成に伴う弾性波の放射現象である。言い換えれば、その破壊現象に関する情報の放出現象であるとも考えられる。したがって、そのAE波を適切に採取し、理論解析することができれば、弾性材料及び構造物の破壊機構の解明に適用できる可能性がある。これにより今日ではAE現象の定性化、定量化の研究が盛んに行なわれている次第である。 著者らは、AE現象の定量化の一方法として境界要素法(BEM)の弾性波動の基礎式を起点としてAE波形理論を一般化し、さらにそれに基づいたAE波形の逆解析手法を提案してきた。 本論文はそのAE波形の逆解析手法を実際のコンクリート構造物に適用した場合の一例を報告するものである。 アンカーボルトは設備機器などをコンクリート構造物に設置する場合やSRC構造の柱脚接合部などにひろく用いられている。ここでAE波形逆解析の対象としたのは、アンカーボルトを有するコンクリート構造物におけるボルトの引き抜きによって生じるコンクリートの破壊現象である。 アンカーボルト部の破壊現象としては、アンカーボルト部の降伏および破断、コンクリート部のコーン状破壊、支圧破壊および付着破壊が考えられるが、ここではコンクリート部がコーン状破壊する場合を想定したアンカーボルトの引き抜き試験を行い、その破壊過程で発生したAE波形の逆解析を行い、その結果について考察する。 ただし、5チャンネルのAE計測システムを用いた小供試体における実験に対する解析結果は既に報告済みである。ここでは、小供試体での実験ではコーン状破壊を生じなかった例があったことと、さらに解析精度の向上を図るために6チャンネルのAE計測システムを用いた大供試体での再検討を行なった。
まとめ
AE波形の逆解析手法として著者らの提案するモーメントテンソル解析法をアンカーボルト部を有するコンクリート構造物に適用し、そのアンカーボルト引き抜き試験における破壊現象を観察、考察した。その結果、AE源である微小ひびわれが試験の結果生じたコーン状破壊面を形成する過程が観察でき、本手法の有効性が確認された。
PDFファイル名 011-01-1051.pdf


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