種別 | 論文 |
主題 | 高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの耐凍害性 |
副題 | |
筆頭著者 | 近松竜一 (筑波大学) |
連名者1 | 山本泰彦 (筑波大学) |
連名者2 | 長合友造(筑波大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 355 |
末尾ページ | 360 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 近年においては、塩害やアルカリ骨材反応によるコンクリートの早期劣化が社会的問題となり、コンクリートの耐久性向上に対する要望が高まっている。高炉スラグ微粉末(以下スラグ微粉末と略称)は、これらの劣化要因に対する対策をはじめとしてコンクリートの品質改善に効果があることから、これを混和材として活用するための研究が活発に行われている。これらの研究成果によれば、十分な湿潤養生を行った場合には、スラグ微粉末の使用はコンクリートの耐凍害性の改善にも効果があることが示されている。また、山本らは、空気量を4.0〜5.5%とし、セメント重量の55%をスラグ微粉末で置換したコンクリートの耐凍害性を調べ、スラグ微粉末を用いないコンクリートは、凍結融解の繰り返しとともに次第に劣化したのに対し、スラグ微粉末を用いたコンクリート(以下スラグコンクリートと略称)の場合には、相対動弾性係数が全く低下せず、凍結融解の繰り返しに伴って逆に増加することを報告した。本研究は、上記の結果にもとづき、スラグコンクリートに所要の耐凍害性を付与するのに必要な空気量の下限を明らかにするとともに、硬化コンクリートの気泡組織の測定を行ってスラグコンクリートの耐凍害性が大きくなる理由について検討した結果をまとめたものである。 結論 本研究の範囲内で次のことが言えると思われる。 (1)スラグ微粉末を用いたコンクリートは、初期の湿潤養生を十分に行えば、優れた耐凍害性を有し、また、その程度は、比表面積の大きいスラグ微粉末を用いた場合ほど大きい。 (2)単位セメント量の50%程度をスラグ微粉末で置換すれば、所要の耐凍害性を付与するのに必要なエントレインドエアの量を通常の場合より2%程度減少させることができる。 (3)スラグ微粉末の使用は、コンクリートの気泡組織をむしろ悪化させる傾向にある。 (4)スラグコンクリートの耐凍害性の改善は、単にエントレインドエアの存在によるだけでなく、水和物の組織の緻密化に大きく依存している可能性が高い。 |
PDFファイル名 | 011-01-1059.pdf |