種別 | 論文 |
主題 | 収縮低減剤を用いたコンクリートの耐久性に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 藤原浩巳(日本セメント) |
連名者1 | 富田六郎(日本セメント) |
連名者2 | 下山善秀(日本セメント) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 379 |
末尾ページ | 384 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 低級アルコールアルキレンオキシド付加物を主成分とする収縮低減剤(以下、低減剤と呼ぶ)を使用したコンクリートは乾燥収縮が小さくなり、収縮ひびわれの防止に対しても効果的であるが、その耐久性についてはAE剤を併用し十分と思われる量の空気を連行しても、飽水状態で水中急速凍結融解を繰り返すJIS A6204付属書2による試験方法では十分な耐久性を示さないことが、これまでの研究で明らかにされている。 しかし、実際のコンクリート構造物は自然環境においては少なからず乾燥することから、これを想定し、若干の乾燥を受けた状態で水中急速凍結融解試験を行うと、低減剤混和コンクリートは無混和コンクリートに比べ吸水性が低く限界飽水度以上になりにくいため耐久性は大きく向上することが確認されている。従って、実際の自然環境では耐久性は問題とならないことが考えられる。 本研究は、単位セメント量、低減剤量、空気量等の配合条件を変えたコンクリートを実際の寒冷地(北海道T市およびK町)に5年間暴露した結果と、飽水状態において実際の気候条件を想定した室内凍結融解試験を行った結果について報告を行うものである。 まとめ 本実験において低減剤を混和したコンクリートを実際の寒冷地環境に暴露し、その耐久性について検討を行うとともに、飽水状態における1日1サイクルの凍結融解試験を行い自然界における凍結融解環境への適用性についての検討を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1)低減剤をコンクリートに混和すると気泡組織がやや粗大化する傾向がある。これは低減剤により混練水の表面張力が大きく低下するためと思われる。 (2)実際の寒冷環境に低減剤混和コンクリートを暴露した場合には十分な耐久性を示し、むしろ無混和のコンクリートよりも強度は増進している傾向が認められる。この原因としては低減剤の混和によりコンクリートの吸水性が低下したこと、乾燥収縮の減少による内部応力の低下および表面張力の低下による水和の進展等が考えられる。 (3)飽水状態においても1日1サイクル程度の凍結速度では低減剤混和コンクリートは十分な耐久性を示す。 |
PDFファイル名 | 011-01-1063.pdf |