種別 | 論文 |
主題 | 低発熱性特殊水中コンクリー卜の諸物性について |
副題 | |
筆頭著者 | 中條昇(熊谷組) |
連名者1 | 佐藤孝一 (熊谷組) |
連名者2 | 土田達(熊谷組) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 403 |
末尾ページ | 408 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 特殊水中コンクリートは、水の洗い作用に対する材料の分離抵抗性に優れているため、(1)水中でも強度の低下が少ない、(2)水質の汚濁が少ない、(3)目的に応じた流動性を得ることができる等の特長を活かして様々な水中構造物に適用されている。特殊水中コンクリートは粘性に富んでいるため、所要の流動性を得るためには通常のコンクリートと比較し単位水量が多くなり、単位結合材量も増加することとなる。このため、適用の対象となる構造物の大型化に伴い、マスコンクリートとしての対応が要求される。特殊水中コンクリートは、水面下の施工となるため、マスコンクリートとしての対策も限られ、材料面での温度抑制対策が重要となる。 一般的には、マスコンクリートの温度抑制のために、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等が用いられているが、その抑制効果が充分でないのが現状である。 本研究は、材料によるコンクリートの温度抑制を主眼として、中庸熱セメントに高炉スラグ微粉末やフライアッシュを高率で置換し、このセメントを用いた特殊水中コンクリートの強度特性及び熱特性を把握すると共に、得られた結果について、解析モデルを設定し温度応力を行い比較検討したものである。 まとめ 各種セメントを用いた特殊水中コンクリートの特徴と留意点を以下に示す。 1)低発熱性セメントを使用した特殊水中コンクリートの凝結時間は、普通セメントを使用した場合に比べて大幅に遅延する。そのため、実施工時には、凝結時間の遅延が及ぼす影響について十分な検討をし、必要に応じて凝結時間の調整などの対応が求められる。 2)MBF、MBの初期強度は低いが、7日以降の強度の伸びは大きく、逆にMFは小さい。引張強度および静弾性係数も同様の結果であった。 3)M(中庸熱):4種類中最も温度上昇量が大きく、発生応力も35.6kgf/cm2と大きいが、強度発現性は最も大きい。 4)MF(中庸熱+フライアッシュ):温度上昇量は大きいが、強度発現性が小さく、発生応力は小さい。所要強度を得るためには他の種類に比べ、単位結合材量が増える可能性がある。 5)MB(中庸熱+高炉スラグ):温度上昇量、発生応力とも最も小さく、また強度発現性もMBFと同程度であり、マスコン用セメントとしては最も適しているが、凝結時間が著しく遅延するため、施工上の考慮が必要である。 6)MBF(中庸熱+フライアッシュ+高炉スラグ):温度上昇量はMFと、強度発現性はMBとほぼ同等であり、発生応力はMとMBの中間値となっている。 本報告において4種類の低発熱性セメントを用いた特殊水中コンクリートの諸物性について述べたが、低発熱性セメントとしては、混和剤の種類、混合率などを変えた種々のものが考えられる。実施工においては設計条件、施工条件などを考慮し、コンクリートの強度特性、熱特性、フレッシュコンクリートの性質を総合的に判断し、最適なセメント・配合を選定することになる。 |
PDFファイル名 | 011-01-1067.pdf |