種別 | 論文 |
主題 | マスコンクリートの温度ひびわれ幅算定方法に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 賀茂友裕 (名古屋大学) |
連名者1 | 田辺忠顕 (名古屋大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 457 |
末尾ページ | 462 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 近年、構造物の大型化、多様化に伴って、鉄筋コンクリート(RC)あるいはプレストレストコンクリート(PC)であっても、温度応力によるひびわれが問題となるケースが著しく増加しており、温度ひびわれに対する関心が高まっている。また「マスコンクリートのひびわれ制御指針」により温度ひびわれを目地や配筋により積極的に制御していこうとする考え方が示されたこともあって、ひびわれ制御対策の定量化が重要な課題となっている。 これまで温度ひびわれに関する研究は数多く行われてきたが、それらはひびわれ制御の定性的な側面について論じたものが多く、その効果を定量的に把握するための研究、特にひびわれ制御には不可欠である、ひびわれ幅の予測方法に関する研究は、その重要性にもかかわらず非常に少ない。 代表的な研究として諸外国においては、ACI 207委員会の方法、BS 5337の方法が、またわが国においては、長滝らの方法、小野らの方法が挙げられるが、いずれの方法もその精度またはモデル化への仮定に問題を含んでおり、確立された方法がないのが現状である。 そこで本研究では、温度応力簡易算定法の一つであるCompensation Plane法の基本仮定である平面保持則を、ひびわれ断面の鉄筋ひずみおよび周辺部のコンクリートひずみに対して仮定することによって得られた温度ひびわれ幅算定方法を提案する。またその妥当性を有限要素解析結果及び実測結果との比較により検証する。即ち、本提案方法はCP法、CL法による温度応力算定法の拡張と言える。しかし本手法の適用範囲は、必ずしも壁状のものに限らない。 まとめ 本研究では、RC構造物の温度ひびわれ幅制御方法の確立を目指し、温度ひびわれ幅の簡易算定方法を提案した。その際、CP法の基本仮定である平面保持則を、ひびわれ断面の鉄筋ひずみおよびその周辺のコンクリートひずみに仮定した。次に、ひびわれの発生および打継面のはく離挙動を考慮した有限要素解析により仮定の妥当性を確認し、大型壁体実験による実測値と提案法による計算値とを比較した。その結果、両者は良好な一致を示し、本提案法の有効性が確認された。提案する計算手法の基本的な立場は、 1)ひびわれ発生後においても鉄筋ひずみ及びコンクリートひずみの直線性がある程度成り立っている。(仮定1) 2)ひびわれ発生後の鉄筋とコンクリートの付着破壊及び打継面のはく離挙動を考えることによって、ひび割れ現象を簡単なモデルに置き換えることができる。(仮定2) という事である。実験値との適合性は相当いいものの、さらに現象のモデル化に工夫を重ね、より精度良いものに改良していきたいと考えている。 |
PDFファイル名 | 011-01-1076.pdf |