種別 | 論文 |
主題 | 底面で連続拘束を受ける壁状マスコンクリート構造体の温度応力とひびわれに関する基礎実験と解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 山崎敞敏 (鹿島建設) |
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キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 469 |
末尾ページ | 474 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに マスコンクリートの温度ひびわれの検討に際し、ひびわれ幅の予測を行いたいことがある。以下は、このような場合のひびわれ幅の算定方法に関する試みである。 JCIひびわれ制御委員会によるひびわれ制御指針の資料1に報告されている17体の試験体のうち鉄筋比をパラメーターにしたものでは、無筋の場合を含めて実施しているが、その結果は無筋の領域も含めて鉄筋比とひびわれ幅の関係が、図-1に示すように、鉄筋の増加とともに、ひびわれ幅が低減する傾向を示している。 なお本報告で述べるひびわれ幅の解析は全て無筋の場合のみである。無筋の場合を取り上げたのは、鉄筋比をパラメーターとして考えた場合に、無筋の場合のひびわれ幅が検討の基本に成り得るとの予測の下に、鉄筋量の効果を含めない場合をまず検討するためである。なお、既往のひびわれ幅予測式に関しては、若干の式が前記指針に紹介されているが、予測式の分母に鉄筋比の項を有するものでは鉄筋のない場合には使うことが出来ない。 解析の対象としては、初めに参考文献による大形マスコンクリート実験の試験体による結果にひびわれ幅解析法の適用を試み、次に筆者が実験した小型試験体によるマスコンクリート実験に適用した。解析の順序として、温度応力解析を行い、次いで、ひびわれ幅解析を実施した。 まとめと今後の問題点 ここで検討した方法については、次のようにまとめられよう。 (1)ひびわれ幅が鉄筋により影響されることは図−1からも明らかである。しかし、鉄筋の影響について考えるとき、無筋の解析により、少なくともひびわれ幅の上限が推定できる筈である(解析値が実測値よりも小さい場合の誤差はひびわれ幅予測解析の誤差として別途考慮の必要がある)。 (2)予測解析においてひびわれ間隔をどう決めるかは問題であるが、応力解析によりどの程度の応力が発生するかを求めることで、決めることが出来よう。すなわち、温度応力の大ききがひびわれ発生応力に等しくなるL/Hの値がひびわれ間隔算出の根拠となろう。ここでは、ひびわれ発生条件を応力のみに基づいて良いか否かは別問題とする。なお、ひびわれ発生応力を低めに(安全側に)設定すると、ひびわれ間隔が小となり、ひびわれ幅が小(危険側評価)となる。 (3)鉄筋によってひびわれ幅が影響を受けることは、当然であるが、ひびわれ間隔については、影響が小さいであろう。少なくとも、鉄筋比約1%迄のJCI実験の範囲ではそのように読み取れる。従って、ひびわれ間隔の設定に際しては、無筋の場合のひびわれ間隔を有筋の場合に用いることも可能であると考えられる。 (4)将来の展望として鉄筋量の影響を考えるとき、鉄筋によって、ひびわれの引き寄せ現象が起こりひびわれ幅が狭くなるであろう。この影響をなんらかの方法で評価し、外力として与えることでFEMで解けば有筋の場合の幅が計算で得られると考えられる。 |
PDFファイル名 | 011-01-1078.pdf |