種別 論文
主題 しらすの利用によるコンクリートの耐久性改善に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 武若耕司(鹿児島大学)
連名者1  
連名者2  
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連名者5  
キーワード
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先頭ページ 551
末尾ページ 556
年度 1989
要旨 まえがき
著者は、過去3年間にわたって、南九州に多量に存在するしらすの有効な利用方法の1つとして、コンクリート用細骨材への利用を考えた諸検討を行ってきた。その結果、しらすを細骨材として使用したコンクリートの最大の特徴の1つとして、非常に優れた耐硫酸塩性能を有していると予想される結果が得られた。 ところで、しらすは、火山の噴火時に火山ガラスを主とする溶融物質の破片および粒子が厚い雲状となって流下し、堆積、溶結してできた発泡状物質であり、その全体的な化学組成はいわゆるポゾラン物質に非常に類似している。従って、しらす使用コンクリートの優れた耐硫酸塩性能は、しらす自身のポゾラン反応性となんらかの関わりを有しているとも予想できる。またこのことは、従来、ポゾランの使用によって改善が期待されている他の耐久性上の諸性能についても、しらすの使用による改善効果を予期させるものでもある。 そこで本研究では、しらすを細骨材として使用したコンクリート(以下、しらすコンクリート)を中心として、しらすの使用によるコンクリートの耐久性改善効果に関する若干の検討を試みた。
まとめ
しらすを使用したコンクリートの耐久性に関する検討を行い、次のような結果が得られた。 1)しらすを細骨材として使用したコンクリートの耐硫酸塩性能は、通常のコンクリートに比べて格段に優れている。 2)しらすコンクリートは、海洋からの塩分浸透に対しても極めて高い抵抗性を示し、その塩分拡散係数は同一水セメン卜比の川砂コンクリートのおよそ1/5であった。 3)地山しらす中の0.15mm以下の細粒分にはアルカリ骨材反応に対する抑制効果が期待できる。 以上の結果は、しらすがポゾラン物質と類似の性能を有する可能性の極めて高いことを示すものであり、しらすを細骨材あるいは混和材として有効に利用することによって、コンクリートの耐久性の大幅な改善も期持できる。
PDFファイル名 011-01-1092.pdf


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