種別 論文
主題 コンクリートの炭酸化に関する研究
副題
筆頭著者 小林一輔(東京大学)
連名者1 宇野祐一(ショーボンド建設)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
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先頭ページ 557
末尾ページ 562
年度 1989
要旨 はじめに
コンクリートの炭酸化に影響を及ぼす要因として、これまでに、コンクリートの特性に関わるものとしてはセメントの種類、水セメント比、混和材の種類と添加量、空気量、施工(養生、締固め)などがあり、コンクリートが置かれる環境に関わるものとしては温度、湿度、CO2濃度などがあることが明らかにされている。また、これらの要因効果を考慮した中性化速度の推定式も岸谷式をはじめとして数多く提案されている。 しかし、近年になってこれらの中性化速度式で推定した値に比べて、実際の構造物の中性化深さが異常に大きいことを指摘する報告が数多く出されるようになってきた。したがって、従来より指摘されている要因の他に別の要因が存在し、これが炭酸化を促進していると考えられる。 一方、近年になってセメントの製造方法が湿式法より乾式法に変わり、アルカリ分を多量に含んだセメントが供給されるようになっていることはよく知られている事実である。このような観点にたち、筆者らは既にコンクリートの炭酸化を促進する新しい要因としてセメントに含まれるアルカリ分ならびに孔隙水のpHとその移動があることを、モルタル供試体を用いた炭酸化試験を通じて明らかにし、化学的、物理的考察を行っている。 本報告は、コンクリートを用いて促進炭酸化試験を行うことにより前報の結果を確認するとともに、セメント中のアルカリ分がコンクリートの炭酸化に及ぼす影響を従来より指摘されている水セメント比、養生条件、高炉水砕スラグ微粉末混入の影響と比較検討したものである。
まとめ
本実験の結果を要約すると以下のようになる。 (1)セメント中のアルカリ分は、コンクリートの炭酸化を促進させる。また、このことは普通ポルトランドセメントを用いた場合のみならず、高炉水砕スラグ微粉末を混入したコンクリートについても炭酸化の促進要因となる。 (2)セメント中のアルカリ分は、その量によっては、従来から指摘されている水セメント比の要因効果よりも卓越する要因となる。 (3)コンクリート内部の孔隙水の移動は、炭酸化の促進要因となる。この効果は、特に、高炉水砕スラグの置換率を高くした場合に顕著に現れる。
PDFファイル名 011-01-1093.pdf


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