種別 論文
主題 コンクリートの中性化の機構
副題
筆頭著者 佐伯竜彦 (東京工業大学)
連名者1 大賀宏行 (東京工業大学)
連名者2 長滝重義 (東京工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
1
先頭ページ 563
末尾ページ 568
年度 1989
要旨 まえがき
コンクリートの中性化は内部のpHを低下させることによって、鉄筋の腐食の可能性を生じさせるため、鉄筋コンクリート構造物の耐久性を考える上で中性化の進行を精度よく予測することは極めて重要である。中性化の進行予測を行うためには先ず、その機構を解明することが不可欠であり、さらに、これから問題になると考えられる塩害等との複合劣化に対応していくためにも、現象の機構を捉えることが大切である。しかしながら、自然に暴露した供試体の中性化の進行は著しく遅く、また、中性化以外の影響も受ける可能性があることから、長期試験の結果から中性化の機構を把握することは困難である。 そこで、本研究では第一段階として中性化機構を基礎的に解明することを目的として、促進中性化試験を行い、モルタル供試体の中性化探さの経時変化について、供試体中の含水状態、水酸化カルシウムの移動及び微細組織と関連させ検討を加えたものである。
結論
以上の検討により、コンクリートの中性化の機構は次のようになっていると考えられる。 (1)コンクリートが飽水状態の場合は二酸化炭素が浸入できず、ほとんど中性化は起きない。 (2)ある程度水が蒸発すると、二酸化炭素が浸入し中性化が起こることから、初期の段階では水の蒸発が中性化進行の律速になっている。 (3)乾燥が進み供試体内の水の分布が均一になると、中性化の進行は水の蒸発による律速から二酸化炭素の拡散、炭酸カルシウムの生成反応律速になり中性化の進行速度は著しく増大する。 (4)炭酸化反応によって水酸化カルシウムが消費されると、それを補うために内部から水酸化カルシウムが移動する。 (5)中性化の進行の度合と乾燥の度合、つまり、供試体表面からの距離によって、炭酸カルシウムの生成による細孔量の減少は大きさの異なる細孔内で起こる。 (6)中性化の進行に伴い炭酸カルシウムの生成によるコンクリート組織の密実化と水酸化カルシウムの溶解によるポーラス化の2つの現象が起きている。
PDFファイル名 011-01-1094.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る