種別 | 論文 |
主題 | 鋼・コンクリート間の摩擦力をずれ止めに応用した合成桁に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 山崎竹博(九州産業大学) |
連名者1 | 出光隆(九州工業大学) |
連名者2 | 宮川邦彦 (九州産業大学) |
連名者3 | 金成洙(九州工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 627 |
末尾ページ | 632 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき プレキャストコンクリートの使用は現場作業の迅速化や簡素化、高品質化など図れる反面、接合部が構造物の弱点となる可能性があり、その一体化が重要な技術的課題となる。このような接合部ではそのせん断伝達力の確保に労を要し、接合表面に凹凸を設けたりせん断キーを挿入するなどの対策を講ずることが多い。特に、鋼主桁とコンクリート床版から成る合成桁の接合面ではジベルなどのずれ止め金具が使用されて、プレキャスト部材との接合にはあらかじめ金具を設置した空間にコンクリートを打設して一体化する方法などを取る。このような接合面の金具に集中してせん断カを負担させる方式や施工時に現場打設を必要とする方法では、図1のようにせん断ずれによってコンクリートの損傷が誘発されるなどプレキャスト部材の長所を十分に発揮できない。本研究では、図2のように鋼とコンクリートを高力ボルト(以下HTBと記す)の緊張力で接合し、その摩擦力によってせん断力を受け持たせる方法について検討した。著者らはこれまでに本方法によって作製した合成桁の曲げ試験および疲労試験から、本接合法が従来のジベルによる方法と同程度以上のせん断剛性を有することを報告してきたが、今回の報告ではグラウトモルタルなどによる高力ボルトヘの支圧力の有無の影響や、同程度のせん断耐力を有するスタッドジベル合成桁の曲げ試験結果との比較、鋼とコンクリート間の基礎的摩擦性状などについて述べる。 まとめ 本研究で明らかになった点をまとめると次のようである。 (1)鋼とコンクリート間の摩擦力はずれ量0.1mmを限界値とすれば摩擦係数0.60を用いて計算できる。 (2)鋼とコンクリート間に付着力があれば、最大せん断力に達した後急激なずれを生じる。 (3)ボルトの緊張力で接合した合成桁はスタッドジベルによるものよりも高いせん断剛性を示し、ずれ発生後の繰返し載荷に対しても弾性的に挙動する。 (4)ジベルによるずれ止めは、ずれ発生時にひび割れを誘発しせん断剛性の低下を生じる。 (5)合成桁のせん断区間でのずれ量は載荷点から支点まで直線的に増大すると仮定してもよい。 (6)グラウトモルタルのクリープを小さくして軸力の損失を少なくするためには、W/Cを低くし、流動化剤や減水剤など用いることが望ましい。 |
PDFファイル名 | 011-01-1105.pdf |