種別 論文
主題 クサビの拡張力を受けるコンクリートの破壊挙動に関する研究
副題
筆頭著者 前田克年 (名古屋工業大学)
連名者1 上原匠(名古屋工業大学)
連名者2 梅原秀哲(名古屋工業大学)
連名者3 吉田弥智 (名古屋工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 655
末尾ページ 660
年度 1989
要旨 まえがき
場所打ちコンクリート杭の杭頭部には、施工時にスライムやレイタンスが発生し品質低下をまねく。また、構造物と剛結するためにもその部分を除去する抗頭処理作業が必要となってくる。この坑頭処理工法の1つとして、孔中にクサビを貫入して、その拡張カでコンクリートにひびわれを生じさせ、坑頭部を引き抜き取り除く工法が開発されている。しかし、この方法はほとんど経験に基づいて行われており、この作業を効率よく合理的に行うにはコンクリートの破壊荷重に影響を及ぼす要因を明らかにする必要がある。なお、この工法は径が600〜1500mm程度の杭に対して有効である。そこでこれまでに、実物大の供試体を用いて破壊荷重に影響を及ぼす要因を検討するとともに、破壊荷重に対してクサビ角や孔深等の要因がどのように影響を及ぼしているかを検討するためのモデル実験を行ってきた。本研究では、さらに孔先端部の形状等を考慮したモデル実験を行うとともに、有限要素法による解析を行い、これまでに行ったモデル実験をも含めた実験結果と比較検討することにより、クサビの拡張力がコンクリートの破壊に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。そして、有限要素法による解析を実物大供試体にも適用し、場所打ちコンクリート杭の破壊挙動を推定することを試みた。
結論
本研究より得られた結論を要約すると以下のようになる。 1)実物大の供試体による実験およびモデル実験の結果から、破壊荷重に影響を及ぼす要因として特にクサビ角φおよび載荷長l'の2つが重要であることが明らかとなった。 2)モデル供試体を解析する際にクサビと載荷板との境界に摩擦力と剥離力を表す境界要素を適用し、その係数A、Bを実験と解析の比較により決定した。その結果を用いてモデル供試体の解析をおこなった結果、モデル供試体の破壊荷重、ひびわれ発生状況など、破壊に至るまでの挙動をほぼ推定できることが明らかとなった。 3)モデル供試体の解析結果をもとにして、この解析を実物大の供試体にも適用するため、実物大供試体を表面部分と内部部分に分け、それらを別々に解析し重ね合わせた結果、破壊荷重を十分な精度で推定できることが明らかとなった。したがって、解析によって実際の坑頭処理においてその破壊荷重を推定できる見通しが得られたと言えよう。さらに、実際の坑頭を最も効率よく最小の荷重で破壊する要因は、クサビ角φ=4°、載荷長l'=20cm、孔数n=8個の場合であることが判明した。
PDFファイル名 011-01-1110.pdf


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