種別 論文
主題 卵形タンクの振動制御に関する研究
副題
筆頭著者 中村秀明 (山口大学)
連名者1 浜田純夫 (山口大学)
連名者2 三浦房紀 (山口大学)
連名者3 森川慎吾(浅野工事)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 673
末尾ページ 678
年度 1989
要旨 まえがき
現在、わが国の汚泥処理施設では省資源、省エネルギーの社会的要請に伴い、嫌気性消化法が一般に採用されている。西ドイツで開発された下水道の汚泥処理施設の一つであるPC卵形消化タンクは、消化機能、機械設備、維持管理などの面で優れた特徴を有しており、既に西ドイツでは1956年以来120基を越える卵形消化タンクが建設されている。わが国においても近年各地で建設されており、今後都市部の人工増大や下水道の普及率の上昇に伴い、数多く、しかも大型のタンクが建設されることが予想される。しかし、地震多発国であるわが国においては、耐震性に対して十分な配慮を払わなければならず、しかも経済性を損なわない合理的な設計が要求される。そのためには卵形消化タンクの地震時挙動および応力を詳細に解明し、それに対して有効な配筋あるいはプレストレス量を決定しなければならない。従来、この様なタンクの地震応答解析においては、タンク単独あるいは有限の地盤を含めて解析が行なわれていた。著者らはこれまでの研究で、地盤に粘性境界を導入することにより半無限に広がる地盤を含めた構造物〜地盤相互作用系の地震応答解析を軸対称有限要素法で行い良い結果を得ている。しかしながら、実際に卵形消化タンクが建設される場合、タンクが単体で建設されることは少なく、多くは複数のタンクが上部を連結されて建てられる場合が多い。そこで、本研究では、複数タンク連成系の解析を行なうとともに、タンクの連結部をダンパー付きのジョイントで連結することによって、単なる地震応答解析だけではなく、地震に対する制振の効果も検討した。複数タンクの連成系を解析するのは容易ではなく、軸対称有限要素法をそのまま適用することはできない。従って本研究では、まず複数タンクを質点系でモデル化し、連結部に生じる力を求め、それを軸対称モデルに入力するという簡易的な方法で複数タンク連成系の地震応答解析を行った。
まとめ
本研究は、軸対称有限要素法では今まで不可能であった複数タンクの連成系を簡単な手法を用いて軸対称有限要素法で解析した。今回はその手法の妥当性を評価でき、さらに以下のことがわかった。 (1)複数の連成タンクを質点系でモデル化し、そのジョイント部に生じる力を軸対称モデルに入力することによって、軸対称モデルでも連成系を解析することができる。 (2)ここでの結果はほんの一例にすぎないが、タンク単独の場合より連成させたほうが応答が低減する場合がある。 (3)タンクに生じる応力はタンク単独、連成系ともに、根入れ部分よりも地表面付近により応力が集中する。 今後、さらに多くモデルについて解析を行なう予定である。
PDFファイル名 011-01-1113.pdf


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