種別 | 論文 |
主題 | 減圧練りまぜ法の適用性に関する基礎研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 長合友造 (筑波大学) |
連名者1 | 山本泰彦 (筑波大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 689 |
末尾ページ | 694 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 減圧条件下でコンクリートを練りまぜ、これを大気圧に開放する際に、コンクリート中の気泡がボイルの法則に従って挙動すると仮定すれば、次のような効果が期待できる。すなわち、中程度の減圧条件下でAEコンクリートを練りまぜた場合には、通常の場合よりも径の小さい気泡を導入でき、例えば、強度、耐凍害性を一定にした場合には、欠陥が少なくかつ単位セメント量の少ないコンクリートを造ることができると考えられる。また、減圧度を更に高めて真空に近い状態で練りまぜれば、コンクリート中にほとんど気泡が存在しなくなるので、品質の優れた高い強度のコンクリートを造ることが可能になると考えられる。 本文は、上記の新しい練りまぜ法(以下、減圧練りまぜ法という)の適用を考える場合に予め検討しておくべき事項に関し、AE剤水溶液、ペーストおよびモルタルを対象として行った基礎的な試験の結果について述べたものである。 結論 本研究の実験の範囲内で次のことがいえる。 (1)減圧した条件下でAE剤水溶液、ペースト、モルタルなどを攪拌あるいは練りまぜた場合には、大気圧下とほぼ同じ量の気泡が生成あるいは連行される。また、これらの気泡は、概ねボイルの法則に従って挙動する。 (2)減圧練りまぜしたモルタルを大気圧下で攪拌・混合すると、空気量や見掛けの平均気泡径の値がボイルの法則から予想される理論値よりも大きくなる。また、気泡間隔係数の値は、大気圧下で練りまぜたものよりも増加する。前者は、試料の攪拌・混合中に新たな大きな気泡が混入される影響と考えられ、後者は、攪拌・混合中に小気泡が大気泡に吸収される影響と考えられる。これらの影響の程度は、練りまぜ時の絶対圧が小さい場合ほど大きくなる。 (3)減圧練りまぜしたモルタルを大気圧下で攪拌・混合した場合に連行される空気量は水セメント比が小さいほど少ない。また、水セメント比が小さいと、空気量の減少に伴う流動性の低下も少ない。したがって、減圧練りまぜ法の採用にあたっては、これをなるべく富配合のモルタルまたはコンクリートに用いるのが有利であると考えられる。 (4)減圧練りまぜしたモルタルの圧縮強度は、水セメント比や材令に関わらず、空気量1%の減少に対して約5%増加する。 |
PDFファイル名 | 011-01-1116.pdf |