種別 | 論文 |
主題 | 多機能性離型剤の開発 |
副題 | |
筆頭著者 | 出村克宣 (日本大学) |
連名者1 | 大濱嘉彦 (日本大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 695 |
末尾ページ | 698 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 最近、コンクリート表面に塗布することによって、その表面から深さ数mm浸透し、コンクリート表層部にはっ水層を形成する塗布含浸材が開発されている。そのような塗布含浸材は、優れたはっ水性に起因して、コンクリートの吸水及び透水に対する抵抗性ばかりでなく、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性をも著しく改善することが知られている。又、塗布含浸材と同様の成分を有する化合物をコンクリートやモルタルに混和して使用する試みも行われており、それらの表面に塗布した場合と同等又はそれ以上の効果があることが報告されている。一方、この様な化合物を何らかの方法で、コンクリート打込みと同時にその表層部に含浸することができれば、防水性及び遮塩性に優れたコンクリートが容易に製造できるものと考える。 そこで、本研究では、顕著なはっ水性を持つシリコーン化合物を添加して調製した多機能性離型剤を型枠に塗布し、モルタル成形時に、その表層部にはっ水層の形成を試みる。又、成形したモルタルの吸水及び塩化物イオン浸透試験を行い、多機能性離型剤の有用性を検討する。 総括 以上の試験結果を総括すれば、以下の通りである。 (1)シリコーン化合物を含む多機能性離型剤を使用してモルタルを成形した場合、モルタル表層部にシリコーン化合物が浸透し、はっ水層を形成する。しかし、その浸透深さは、シリコーン化合物の種類及び添加率に依存する。 (2)シリコーン化合物を含む多機能性離型剤の使用によって、シリコーン化合物の種類及び添加率にも依存するが、モルタルの防水性及び塩化物イオン浸透に対する抵抗性は相当に改善される。 (3)以上の試験結果から推察すれば、シリコーン化合物を含む多機能性離型剤は、モルタル及びコンクリート打込み時にそれらの表層郡を改質する材料として有用である。しかし、その表層部改質効果は多機能性離型剤に添加するシリコーン化合物に依存することから、多機能性離型剤調製用原料及びその配合、大型コンクリート部材製造時の問題点などについては、今後、更に検討を要するものと考える。 |
PDFファイル名 | 011-01-1117.pdf |