種別 | 論文 |
主題 | 特殊水中コンクリート構造物の品質に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 小野文雄 (関西国際空港株式会社) |
連名者1 | 今野建太郎(東亜・不動・清水・国土総合建設工事) |
連名者2 | 安田正樹 (東亜建設工業) |
連名者3 | 守分敦郎 (東亜建設工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 755 |
末尾ページ | 760 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 近年、分離抵抗性の高い特殊水中コンクリートが広く利用されて来ており、水中でのコンクリート打設を大変信頼性の高いものにしている。しかし、鉄筋が密に配置された構造物においてはコンクリートの水平方向への移動等に伴い、鉄筋によりコンクリートが乱されたり、コンクリート中への塩分の混入等の品質劣化が懸念される。 本研究においては、鉄筋が密に配置された構造物に特殊水中コンクリートを使用した場合、構造物としてどの様な品質を有するか、"コンクリート圧縮強度"、 "コンクリート中に取込まれる塩素イオン量"、 "コンクリートと鉄筋の付着強度"、等の点について検討を行った。ここでは、これらの検討結果について報告する。なお本研究は、関西国際空港島建設工事の内、鋼板セル式護岸工事に特殊水中コンクリートを使用するための事前検討として行ったものである。 結論 以上、特殊水中コンクリートを用いた場合の構造物の品質に関して種々の実験を行ってきた。これらの実験の結果以下の事が分かった。 (1)鉄筋が密に配置された部材においても、特殊水中コンクリートは乱されることなく充填され、強度の低下等の品質劣化は認められない。 (2)密に配置された鉄筋の中を特殊水中コンクリートが移動した場合、塩素イオンのコンクリート中への混入は表面付近に限られ、コンクリート内部への混入は大変少ない。 (3)コンクリート表面付近の塩素イオン分布より、コンクリートの移動状況が明確に理解され、型枠の角付近に海水が抜けきれない部分が認められた。しかし、その様な部分でもコンクリート内部の塩素イオン量は少ないことが認められた。 (4)鉄筋の付着特性は、発錆率60%程度までは錆の無い場合と同様である。また、それ以上の発錆率においては、初期付着応力度の低下は見られるが、最大付着応力度には顕著な低下は見られない。 以上、これらの実験研究により、特殊水中コンクリートを用いた構造物の信頼性は高いものと思われる。しかし、この様なコンクリートの水中部での塩害に対する耐久性に関しては、まだ不明な点も多く今後この方面の検討をしていきたい。 |
PDFファイル名 | 011-01-1128.pdf |