種別 | 論文 |
主題 | 新素材繊維−セメントペースト界面領域の組織と付着強度 |
副題 | |
筆頭著者 | 五十嵐心一 (金沢大学) |
連名者1 | 川村満紀 (金沢大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 765 |
末尾ページ | 770 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 繊維−セメントマトリックス界面領域の構造は繊維の表面の影響を受けないセメントペースト部分の構造とは異なることが指摘されており、この領域の構造は繊維の付着特性やひびわれの進行に影響を及ぼす。一般に、このような界面領域の形成はセメントペーストのブリージングによって説明されている。しかし、界面領域の形成は、繊維の形状とその表面特性にも影響を受ける。また、養生条件や混和材の混入も界面領域の微視的構造に影響を及ぼすことが考えられる。最近、新素材繊維は高性能かつセメントマトリックス中においても安定であるため、セメントコンクリート補強用繊維としての利用が検討されている。これらの繊維を用いたセメント系複合材料がすぐれた力学的性能を発揮するためには、十分な付着強度を有することが肝要である。しかし、繊維−セメントペースト間の付着特性は繊維−セメントペースト間の界面領域の微視的構造と密接な関係を有すると考えられるにもかかわらず、種々の新素材繊維−セメントペースト界面領域の組織の特徴について検討した例はほとんどないようである。本研究は炭素繊維およびアラミド繊維−セメントペースト界面領域の組織の形成を微小硬度測定によって明らかにし、これらの界面領域の組織の特徴を従来から用いられている鋼繊維の場合と比較検討したものである。 まとめ 本研究にて得られた主な結果をまとめると以下のとおりである。 (1)アラミド繊維の付着強度は著しく低く、水セメント比の低減およびシリカフュームの混入によっても付着強度は改善されない。(2)同一のセメントペーストマトリックスであっても、繊維−セメントペースト間の界面領域の微小硬度分布は用いる繊維によって異なる。 (3)水セメント比の低減は界面領域における多孔牲領域の厚さの減少と強度の増大をもたらすが、平均付着強度との対応は明らかではない。 (4)シリカフューム置換率10%程度では、界面領域の組織には大きな変化は認められない。 (5)アラミド繊維−セメントペースト界面領域の微小硬度分布パターンが鋼繊維の場合と類似しているにもかかわらず付着強度が低いのは、界面部分のセメントペーストの組織が緻密ではないためと考えられる。 |
PDFファイル名 | 011-01-1130.pdf |