種別 | 論文 |
主題 | 組紐状FRPロッドによるスパイラル筋を用いたコンクリート梁のせん断性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 遠藤克彦 (三井建設) |
連名者1 | 石橋一彦 (千葉大学) |
連名者2 | 岡本直(三井建設) |
連名者3 | 谷垣正治 (三井建設) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 807 |
末尾ページ | 812 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 筆者らは、これまでに高強度繊維を組紐状に編んだFRPロッドをコンクリート部材の曲げ補強に用いるための研究を行ってきた。この組紐状FRPロッドは樹脂が硬化していない状態ではロープ状であるので、直線形だけでなく任意の形に成形することができる。したがって、この繊維ロープをスパイラル状に成形すれば、せん断補強筋としてコンクリート部材に組み込むことが可能となる。本報は、組紐状にした炭素繊維およびアラミド繊維のスパイラル筋をせん断補強筋として使用したコンクリート梁のせん断実験を行い、これらのスパイラル筋のせん断補強効果について検討したものである。 まとめ 以上、本実験および考察より得られた結果を以下に要約する。 1)曲げ補強筋に鉄筋を用いた場合と、FRPロッドを用いた場合では、特に初期段階におけるせん断抵抗機構が大きく異なると考えられる。 2)炭素繊維によるFRPロッドをせん断補強筋として用いた試験体は、部材角R=2.5/100 でFRPロッドが破断して荷重が急激に低下したが、他のせん断補強筋を用いた試験体では、最終状態(R=4/100)までロッドの破断は見られなかった。 3)曲げ補強筋に鉄筋を用いた試験体では、部材角R=1/100で最大耐力に達したが、それ以外の試験体では、せん断補強のないものを除きR=2/100で最大耐力を示した。 4)せん断補強のない試験体のせん断耐力は、大野・荒川式の第1項によるコンクリート負担分の計算耐力に対して、約半分の値であった。これは主として曲げ補強筋にFRPロッドを用いたことによる影響と考えられる。 5)せん断補強筋比Pwとせん断耐力Quの間には、線形関係が見られた。 6)せん断補強筋の弾性係数の平方根√Ewとせん断耐力 Quの間にも、同様に線形関係が得られた。 7)前2項より、せん断補強筋比Pwとせん断補強筋の弾性係数の平方根√Ewとの積Pw・√Ewとせん断耐力Quの間にも線形関係が得られた。 8)本実験で、FRPロッドのせん断補強筋としての有効性が確認されたが、今後の課題として、曲げ補強筋の量および弾性係数等がせん断耐力に与える影響について研究する必要がある。 |
PDFファイル名 | 011-01-1137.pdf |