種別 | 論文 |
主題 | 暴露したFRPで補強したコンクリートはりの力学的特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者1 | 斎藤等(埼玉県 松伏町役場) |
連名者2 | 八木橋浩隆(ドーピー建設工業) |
連名者3 | 林耕四郎(大日本硝子工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 825 |
末尾ページ | 830 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 鉄筋コンクリート構造物の寿命低下の主原因となる鉄筋の腐食に対処する一つの方法として、耐食性の高い繊維強化プラスチックス(FRP)が開発され、実用されつつある。 FRPの使用に際しては、製造から使用時までの大気中においてその品質が劣化する懸念があること、また、塩分の侵入といった厳しい環境下においてFRPを用いた構造物の耐久性の確認が十分でないことなどの問題点がある。コンクリート部材の補強材としてのFRPの耐久性に関する研究は報告されていない。 本研究では、これらの問題点を解明する基礎データを得ることを目的に、1年間と短期間ではあるが、鉄筋および3種類のFRPを屋外放置ならびに屋外放置に加え食塩水を散布する厳しい環境下でそれぞれ暴露したものを補強材として用いたコンクリートはりを作製して曲げ強度試験を行い、FRPは厳しい環境下に暴露しても、コンクリートはりの補強材としての品質の低下が無いことを報告するものである。 結論 各種の環境下で1年間にわたって暴露したFRPと鉄筋をそれぞれ補強材として用いたコンクリートはりの曲げ強度試験を行い、その力学的特性を比較検討した。本研究により、FRPの悪環境下における耐久性が、以下のとおり認められた。 1)暴露によるFRPの外観上の変化は、屋外放置で表面のつやがなくなる程度であり、更に3%の食塩水を1日1回散布しても屋外放置との違いは認められなかった。これに対して、鉄筋は、このような厳しい環境下においては、表面が剥離するほどの腐食を生じた。 2)FRPを1)に示した厳しい環境下で暴露しても、それを補強材として用いたはりの曲げひびわれ発生荷重、曲げひびわれ幅、たわみおよびせん断耐力の劣化は認められなかった。屋外放置により表面の樹脂のつやが失われたが、応力を主として負担する繊維の品質は低下しなかったものと思われる。 3)屋外放置に加えて食塩水を散布した鉄筋を補強材に用いたはりでは、他の暴露条件の鉄筋を用いたはりと比較して、同一荷重での鉄筋のひずみは大きくなり、曲げ引張破壊荷重も約20%減少した。 |
PDFファイル名 | 011-01-1140.pdf |