種別 | 論文 |
主題 | 鋼繊維で補強したCPCはりの曲げ性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者1 | 岩井稔(群馬大学) |
連名者2 | 奥泉貴朗(群馬大学) |
連名者3 | 小川晃市 (首都高速道路公団) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 843 |
末尾ページ | 848 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき 鋼繊維で補強した膨張コンクリート部材の膨張性状および曲げ性状に関しては、既に幾つかの貴重な研究成果が報告されている。しかしながら、鋼繊維の混入効果を定量的に明確に示した研究結果は、これまでにほとんど報告されていない。 本研究は、膨張コンクリートを用いてケミカルプレストレスを導入した鉄筋コンクリートはり(CPCはり)の力学的性状を更に改善するために、鋼繊維の混入によるはりの曲げ性状への補強効果を定量的に把握することを試みたものである。すなわち、曲げを受けるCPCはりに及ぼす鋼繊維の補強効果について、鋼繊維を鉄筋と同様な拘束体とモデル化し、その混入による膨張率およびケミカルプレストレスの変化は、先に報告した仕事量の概念に基づく推定方法を採用するとともに、はりの曲げ性状を解析する方法を提示し、実験結果と比較検討をするものである。 結論 ケミカルプレストレスを導入した鉄筋コンクリートはり(CPCはり)において、鋼繊維の混入による曲げ性状の改善効果を定量化するため、鋼繊維を仮想的な鉄筋として取扱う解析方法を提案し、実験結果と比較検討した。本研究の範囲内で、次のことがいえると思われる。 (1)鋼繊維の混入によるケミカルプレストレスの変化は、鋼繊維の影響を考慮した仕事量の概念に基づく推定方法によって、断面に非対称に鉄筋を配置したはりにおいても定量的に評価できる。 (2)鋼繊維の混入による曲げひびわれ発生モーメントの増加の程度は、膨張材の使用による効果ほど大きくない。しかしながら、鋼繊維と膨張材を併用する効果は、鋼繊維が膨張力を拘束することによってコンクリートに導入されるケミカルプレストレスにほぼ比例している。これらの使用効果は、解析方法に採り入れて表示することができる。 (3)曲げひびわれ発生以降の引張鉄筋のひずみ増加量も、鋼繊維と膨張材のそれぞれを用いることにより減少でき、その効果は、解析方法で定量化できる。(4)曲げ引張破壊耐力は、単位膨張材量の影響を受けず、鋼繊維混入率とともに増加する。また、両者の併用により、破壊形式をせん断破壊から曲げ引張破壊へ移行させることができる。 |
PDFファイル名 | 011-01-1144.pdf |