種別 論文
主題 鋼・コンクリート合成ばりの疲労特性
副題
筆頭著者 横田弘(運輸省港湾技術研究所)
連名者1 清宮理(運輸省港湾技術研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
2
先頭ページ 57
末尾ページ 62
年度 1989
要旨 はじめに
鋼材とコンクリートとを合成した部材は、合成床版、鉄骨鉄筋コンクリート柱などの陸上構造物で良く利用されている。海洋環境下で合成構造が使用された例はこれまで少ないが、図−1に示すような港湾構造物(防波堤、沈埋トンネルなど)への利用が進められている。合成部材は、鋼板と鉄筋コンクリートとをずれ止めにより合成したもので、ずれ止めには形鋼が用いられる。この部材は、鋼とコンクリートのそれぞれの長所を生かし、短所を補い合う構造様式である。また、鋼板を使用することで、部材の軽量化、施工の迅速化および水密性の向上などの利点も期待でき、海洋環境下での横道物の建設に有効である。合成構造の海洋構造物への適用には、部材の力学性状や耐久性などを十分に把握して、設計体系を整備していく必要がある。既に、ずれ止めに用いた形鋼の耐荷力の算定および合成ばりの静的力学特性と曲げ・せん断耐荷力の算定については明らかにされている。海洋構造物の主たる外力は波浪によって与えられるが、このような繰返し荷重に対する疲労特性の把握ならびに疲労破壊に対する安全性の評価が重要となる。この部材では溶接工法を多用しており、疲労の検討が不可欠であるが、この種の部材の疲労特性を検討した研究はほとんどない。本報告では、鋼・コンクリート合成ばりの疲労特性を繰返し載荷試験により把握し、波浪外力に対する疲労破壊の安全性について検討した結果を述べる。
まとめ
本研究の範囲で得られた主要な結論は、以下のとおりである。1)鋼・コンクリート合成ばりの疲労破壊の形態は、鋼板とせん断補強鉄筋あるいはずれ止めの取付け位置付近での鋼板の破断であった。また今回の3種類のはりの構造間では、疲労特性に有意な差がなかった。2)繰返し荷重が200万回作用しても合成ばりに疲労破壊が生じない際の荷重の上限値は、はりの静的耐荷力の約20%となり、通常の鉄筋コンクリートはりと比べてかなり小さな値となった。3)合成ばりの疲労損傷は引張鋼板の溶接部近傍に集中し、ずれ止め、コンクリートおよび鉄筋にはほとんど損傷が生じなかった。4)疲労試験結果から、合成部材でのずれ止めを溶接した鋼板の疲労に関するS−N関係を求めると、傾きの逆数が−5程度となった。5)試験から得られた鋼板のS−N関係と波浪の実測結果を用いてマイナー則により計算した累積損傷度は1以下となり、疲労破壊に対する一応の安全性が確認された。
PDFファイル名 011-01-2007.pdf


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