種別 論文
主題 鉄筋コンクリート造ウォールガーダーの強度変形性状
副題
筆頭著者 大久保全陸(九州芸術工科大学芸術工学部)
連名者1 塩屋晋一(九州芸術工科大学芸術工学部)
連名者2 阿納哲郎(九州芸術工科大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
2
先頭ページ 63
末尾ページ 68
年度 1989
要旨 はじめに
腰壁が梁と一体的に施工される鉄筋コンクリート造建物を、梁降伏形の骨組として設計する場合に、腰壁に構造目地を設けてこれを非構造化する方法と、腰壁をウォールガーダーの一部として積極的に構造部材化する方法がある。腰壁に構造目地を設置する前者の方法については多少の研究資料があるが、後者のウォールガーダーに関しては、その力学的特性に関する知見は全く不足している。すなわち、ウォールガーダでは、その断面が通常のラーメン構造で採用される梁に比べて扁平に(梁幅に対する梁せいの比D/bがかなり大きく)なるため、面材としての性質が強く表れる可能性があり、それによって、1)曲げ圧縮域の靱性の問題やせん断スパン比の減少に伴うせん断変形の影響の問題、2)曲げひび割れ発生後、曲げ変形の増加に伴って生じる軸方向変形と、それが拘束された場合に生じる軸方向拘束力が部材の強度変形性状に及ぼす影響、等未知な点が少なくない。上記の2)に関しては、通常寸法の梁を対象とした坂田・黒正らの研究があり、基本的性状は一応把握されている。しかしながら、この問題はウォールガーダーでは通常の梁に比べて影響がより大きくなる可能性もある。そこで、本報告では染降伏形骨組にウォールガーダーを用いる場合を視点におき、上記の2)に関する問題を含めて実験を行なってウォールガーダーの強度変形性状について検討するとともに軸方向拘束力の影響度を梁の変形量との関係で定量化する手法について検討する。なお、本報告で対象とする実験結果については、文献で発表した。紙数の関係で本報告では実験結果を詳細に示すことができないので、実験値等については文献を参照されたい。本研究に対しては、昭和62・63年度文部省科学研究費補助金(一般研究B)の補助を受けた。
結び
鉄筋コンクリート造ウォールガーダーの実験結果のうち、主に強度変杉関係について検討し、1)軸方向変形が拘束されない場合、曲げ終局強度は断面内の腹筋を曲げに関係する鉄筋として考慮すると、曲げ終局強度理論によって良く評価できる、2)等価曲率の考えに基づいて定義された降伏ヒンジ領域の長きは、概ね0.5D程度である、3)簡単な剛体モデルを用いて、軸方向変形が推定しうる可能性がある。また、軸方向変形を拘束する要因がある場合には、その軸方向拘束剛性がわかれば、その値を用いて剛体モデルによって軸方向変形拘束力を推定し、推定された軸方向拘束力を断面の曲げ強度の計算に考慮すると、概ね部材の強度変形関係が推定しうる、等を示した。
PDFファイル名 011-01-2008.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る