種別 論文
主題 縮小試験体による鉄筋コンクリート有孔ばりのせん断補強法に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 立花正彦(東京電機大学工学部)
連名者1 中野清司(東京電機大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
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先頭ページ 69
末尾ページ 74
年度 1989
要旨 はじめに
建築構造物では階高の節約から、はりの腹部に設備配管用の貫通孔を設けることが一般的に行われている。鉄筋コンクリート(以下RCと略)ばりにおいては、孔を設けると剪断強度への影響が非常に大きいことから、施工性の良い簡単な、かつ、有効な補強効果のある補強方法を考案することは重要なことである。主な補強方法としては横筋、斜め筋、ワイヤーメッシュ、プレート、リング又はスクロール状の鉄筋などを開孔周辺に配置する方法があり実用化されている。一方、RC有孔ばりの剪断強度は無孔RCばりの剪断強度が十分な理論的結論を得ていないのと同様十分な一般的な結論が得られておらず、実験資料にもとずいた実験式によっているのが現状である。しかし、実大の試験体の製作にともなう経済的理由や試験機の容量などにより、この実験資料の範囲は狭く、実験式の適用範囲は限定され、現状の要求(例えば開孔が上下に偏心、連孔とした時の位置と間隔、T型はりなどの影響等)を反映しているとは易々難い。本研究では、主として筆者らが研究を進めているスクロール状の鉄筋を開孔のまわりに配置する補強方法及び斜め筋による従来の補強方法を用いたRC有孔ばりに着目して、比較的簡単に製作できる縮小模型試験体による剪断実験を行い、RC有孔ばり実験でよく用いられる因子である孔径比、補強筋量を実験変数としてRC有孔ばりの剪断耐力、変形性状などへの補強効果について定性的傾向を把握し、その結果多数の影響因子に着目した系統的かつ組織的に研究を進めやすい縮小模型試験体による定性的傾向の把握の可能性に閑する基礎資料を得ようとするものである。
まとめ
鉄筋コンクリート部材の開口補強に施工性の良いリング状の鉄筋であるスクロール筋を有孔ばりに適用した時の補強効果についてモルタルによる1/6程度の縮小模型試験体を用いて定性的傾向を把握することを目的として実験を行った結果、下記のことが明らかとなった。1)スクロール筋補強は従来工法である斜め筋補強と同程度の補強効果が有ること。2)最大剪断耐力は孔径比が小さい程、また、補強筋量が多い程増大し、これらの傾向は実大の実験結果とほぼ同じであること。3)縮小模型試験体の実験結果より、最大剪断耐力を既往の実大試験体より得られた実験式と同じ方法で整理した結果、この実験式の各係数は既往の実大試験体より得られた各係数とほぼ同じ傾向を示すこと。4)本実験のように縮小模型試験体を用いても定性的傾向を把握することができた。よって、多数の影響因子に着目した系統的かつ組織的な研究に縮小模型試験体による定性的傾向の把握の可能性が明らかとなったこと。
PDFファイル名 011-01-2009.pdf


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