種別 論文
主題 アウトケーブルを用いたPRCはりの曲げ性状
副題
筆頭著者 柳沼善明(日本大学理工学部)
連名者1 北田勇輔(日本大学理工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 103
末尾ページ 108
年度 1989
要旨 まえがき
諸外国ではアウトケーブルを用いた構造物(部材断面の外部にPC鋼材を配置した構造物)の設計施工が注目されている。一方、コンクリート構造物の劣化が問題となり補修や補強が必要となってきている。損傷を受けたコンクリート構造物の補強の一つの方法として、アウトケーブルの採用は有効な方法と考えられる。アウトケーブルの使用には数々の利点が考えられるため、今後我国においてもその使用が増加するものと予想される。しかしながら、我国におけるアウトケーブルに関する研究は数少ないため、本研究はアウトケーブルを使用するにあたっての基礎資料を得ようとするものである。著者らは、PC綱材係数qpの大きな領域におけるアウトケーブルを用いたPRCはりの静的曲げ載荷実験を行ない、アウトケーブルの中間支持のないPRCばりの最大曲げモーメントMmaxは従来工法の約4%の減少であったと報告した。この報告で用いられたPC鋼材係数qp (=pp・σpycy)は0.3で、鉄筋係数qs(=ps・σsycy)は0.08〜0.23であった。ここに、ppとpsはPC鋼材比と鉄筋比であり、σpyとσsyはそれぞれPC鋼材および鉄筋の降伏強度であり、σcyはコンクリートの圧縮強度である。ところで、PC鋼材量ならびに導入プレストレス力は、はりの変形に影響を与えるものと考えられる。特に、PC鋼材係数の小さなPRCはりは変形能力が改善されるものと思われるため、PC鋼材係数と鉄筋係数とはアウトケーブルを用いたPRCばりのMmaxに影響を与えることが予想される。そこで、本研究はPC鋼材量、導入プレストレス力ならびに主鉄筋量に着目し、アウトケーブルを用いたPRCはりのMmax、PC鋼材の応力ならびに変形性状について調べることを主な目的とした。
まとめ
アウトケーブルの中間支持のないPRCばりと従来工法のPRCばりとの静的曲げ載荷実験を行ない、本実験の範囲内で得られた結果をまとめると次の通りである。(1)PC鋼材量の増加あるいは導入プレストレス力の増加により、PRCはりのMmaxが増加し、変形能力が低下する傾向にある。この傾向は主鉄筋量が少ないほど著しく表れる。(2)PC鋼材量が少ない場合、主鉄筋量を少なくすればはりのたわみが大きくなるため、アウトケーブルを用いたPRCばりのMmaxは従来工法と比較して大きく減少する。以上により、PC鋼材量、主鉄筋量ならびに導入プレストレス力が少ない程、中間支持のないアウトケーブルを用いたPRCはりのMmaxは、従来工法と比較して減少割合が大きくなるものと考えられる。
PDFファイル名 011-01-2015.pdf


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