種別 論文
主題 実大SFRCはりの曲げ挙動に関する研究
副題
筆頭著者 町田恭一(関東学院大学工学部建築学科)
連名者1 槇谷栄次(関東学院大学工学部)
連名者2 岡本直(三井建設技術研究所)
連名者3 松原澄行(三井建設技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 115
末尾ページ 120
年度 1989
要旨 はじめに
近年、鋼繊維補強コンクリート(SFRC)は、建築および土木の分野で実用化されつつあり、それに関する多くの実験、研究が活発になされているが、その多くの実験は縮小モデルによるものである。従って、短い鋼繊維が実際の大きな構造物に、どの程度補強効果を発揮するかは、未だ不明な点が多い。そこで実用化に際して構造部材として用いる場合、今までのモデル実験による基礎データをもとに、実大および準実大実験を行い、短繊維による寸法効果を明らかにすることが要求される。従って、本研究は梁の曲げに関して実大および準実大実験を行い、実大SFRCばりの曲げ挙動及び鋼繊維の実大ばりに対する補強効果を明らかにすると共に、過去の縮小モデル実験データを用いて、寸法効果を含めた鋼織維の補強効果係数を得ることにより、簡便な強度推定式の提案を併せて行った。
まとめ
実大SFRCばりの曲げ実験を行い、実大構造物に対する鋼繊維の補強効果を明らかにするとともに、寸法効果を考慮した鋼繊維補強効果係数を算出し、それを用いて終局曲げ強度の略算推定式の提案を行った。その結果以下の事が判った。(1)実大および準実大のはりに対しても、SFRCはRCに比べ、最大曲げ強度で10%、降伏時曲げ剛性で26〜78%、吸収エネルギーで20〜30%の増加があり、鋼繊維の補強効果が見られた。(2)靭性に関しては、RCが圧縮コンクリートの圧壊によって急激な耐力低下をしたのに対し、SFRCは、RCの圧壊以降のたわみに対しても、鋼繊維による圧縮ブロックの改善により除々に耐力は低下するが破壊に至らなかった。(3)亀裂に関しては、鋼繊維の少ない箇所で亀裂が生じ、他の部分は繊維によって亀裂拘束されるため、繊維量の増加とともに亀裂数は減少した。(4)実大および準実大ばりに対する鋼繊維の補強効果は、縮小モデルに比べ減少する事が鋼繊維補強効果係数より明らかになった。(5)鋼繊維補強効果係数のモデル化により、それを用いて終局曲げ強度の略算推定式を計算すると、実験値と良く一致した。尚、鋼繊維補強効果係数に関しては、試験体数が充分でなかったため、より多くの実験を行い、精度があり汎用性を有するものにする所存である。
PDFファイル名 011-01-2017.pdf


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