種別 論文
主題 コンクリート橋の安全性評価と補修・補強法の検討
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学工学部)
連名者1 前田敏也(神戸大学大学院)
連名者2 熊谷稔(神戸大学大学院)
連名者3 前田強(兵庫県土木部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 245
末尾ページ 250
年度 1989
要旨 はじめに
橋梁をはじめとする各種土木構造物は、その供用年数の経過とともに耐荷力、耐久性の低下等の劣化を生じる。このため、橋梁には経年による劣化に対して経済的で効率的な維持管理が望まれるようになってきている。このような維持管理の基本部分をなすのが、既存橋梁に対する安全性評価とそれに基づく適切な補修・補強法の策定である。本研究は、特にコンクリート橋を対象とした安全性評価法の確立とともに種々の補修・補強を想定した試験結果から、その体系化についても検討を加えたものである。すなわち、本研究では、架設後数十年を経た鉄筋コンクリートT桁橋に対して各種現場試験を行うことによりその安全性を図1に示すフローに従って評価し、同時に、補修・補強を想定した種々の試験からその効果を安全性評価によって明らかにすることにより、効果的な補修・補強方法について考察を行った。
結論
本研究で得られた主な結果を以下にまとめる:1)高欄の有無による安全性評価結果から、本研究で対象としたガードレールのような見た目にも簡単な高欄については、耳桁の剛性への寄与はあまり大きくないことが明らかとなった。2)人工的に劣化を進行させた試験から、主桁一本に損傷が生じただけでも、橋の荷重分配効果が変化し、橋全体として劣化が進行する。3)横桁による補強は、床版の剛性を上昇させ、横桁が設置されていない場合は床版にかなりの損傷があると考えられる。4)アスファルト舗装の剛性への寄与は、鋪装厚が厚かった(23cm)ことにもよるが約40%とかなり大きいものであった。5)主桁耐荷力試験、主桁構成材料試験から、車の進入路にあたるスパン1は、他のスパンに比べて損傷の程度が大きいと考えられる。6)SI法を適用することによって、橋梁の損傷状態や破壊形式及び破壊に対する安全率を推定することが可能であるが、その推定値は相対値にすぎず、非破壊試験による破壊安全率は破壊試験において検証きれたものに比べかなり大きく推定された。7)種々の補修・補強を想定した現場非破壊試験による安全性評価結果から、橋全体に対する効果的な補修・補強法として両耳桁に対する補強、及び横桁の設置を挙げることができ、橋軸方向に対する局部的な補強よりも、橋軸直角方向に対する補強の方が橋梁全体に対して効果的ではないかと思われる。
PDFファイル名 011-01-2040.pdf


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