種別 論文
主題 既存鉄筋コンクリート造架構の靭性抵抗型鉄骨ブレースによる耐震補強
副題
筆頭著者 勝俣英雄(大林組技術研究所)
連名者1 関松太郎(大林組技術研究所)
連名者2 隈沢文俊(東京大学生産技術研究所)
連名者3 岡田恒男(東京大学生産技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 263
末尾ページ 268
年度 1989
要旨
既存鉄筋コンクリート造建物の耐震補強工法として、枠付きの鉄骨ブレースを鉄筋コンクリート骨組内に挿入する方法が1)軽量、2)高強度が得られること、3)開口を設けても性能が低下しないこと、などの理由から採用されることが多くなった。筆者らは、一般のブレースよりじん性能が良好なY形ブレースを用いる構法を考案した。Y形ブレースは、「せん断パネル」を意図的にせん断降伏・せん断座屈させ、ブレース材の応力を弾性範囲に滞めるように設計されるので、せん断降伏に伴なう安定したエネルギー消費能力が得られる。また、じん性能が高いので、強度を下げることも可能であり、既存躯体と鉄骨都材の接合部をより容易に設計・施工できる点に特徴がある。本論文では、既存躯体のじん性能、および鉄骨部材と既存躯体との接合法に着目してY型ブレースの補強効果を実験によって検討した。
まとめ
じん性抵抗型のY型ブレースを増設した鉄筋コンクリート骨組の実験によって次のことがわかった。(1)Y型ブレースの増設は、耐力が4倍以上になり、また、エネルギー消費能力が大きく向上し、また、終局変位も部材角1/30に達して十分な耐震補強効果がある。(2)Y型ブレースが保有する大きなエネルギー消費能力は、既存鉄筋コンクリート部材のじん性能の大小にかかわらず安定しており、鉄筋コンクリート部材に代わって主要な耐震要素となりうる。(3)鉄骨枠による拘束効果によって既存柱の剛域が長くなる場合もある。(4)最大耐力の評価にあっては鉄筋コンクリート柱と鉄骨枠との合成を考慮する必要がある。以上の知見は梁耐力が柱にくらべて比較的高い試験体による実験結果であるが、梁耐力が低い場合や、実際の建物への通用性については今後の検討課題である。
PDFファイル名 011-01-2043.pdf


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