種別 論文
主題 交番繰り返し荷重を受けるRC部材の履歴復元力特性及び靱性評価
副題
筆頭著者 中村泰介(東北大学大学院)
連名者1 鈴木基行(東北大学工学部)
連名者2 尾坂芳夫(東北大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 269
末尾ページ 274
年度 1989
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート構造物の耐震性を解析的に検討するためには、交番繰り返し荷重を受けるRC部材の履歴復元力特性および終局変位を定量的に評価しておかなければならない。RC部材の解析用履歴復元力モデルは、武藤、武田等により提案されている。しかし、3δyy:部材降伏変位)以降、実験により得られた荷重−変位関係とこれらのモデルとの適合性が悪い、との報告もあり、これらのモデルは、必ずしも終局に至るまで部材の挙動を的確に反映したものとは言えない。一般に、交番繰り返し荷重を受ける部材の包絡線は、最大荷重以降低下する。また、同一変位で交番繰り返し載荷が行われると、各サイクルでの最大荷重は徐々に低下する現象が認められる。しかし、これら部材挙動が部材履歴復元力モデルに考慮されていないため、実験結果との適合性が悪くなるものと考えられる。また、終局変位の定量化をはかった研究として、檜貝ら、町田ら、石橋らによるもの等があるが、部材の降伏および終局の定義に統一性がみられないなどの問題点があり、十分な精度を持った評価式は未だ提案されていない。以上のような観点から、本研究では、橋脚やラーメン高架橋遣物等に多く用いられるせん断スパン比(a/d)4程度のRC部材を対象に、同一変位で繰り返し荷重を受ける部材の各サイクルでの最大荷重が徐々に低下する現象を考慮に入れた履歴復元力特性のモデル化、および終局変位の定量化をはかることを目的とした。
結論
(1)同一変位で交番繰り返しを行うと最大荷重があるレベルよりも下がらない安定した領域と繰り返し数の増加と共に最大荷重が低下し部材耐力を失う不安定な領域とがある。本研究では、この二つの領域の境界を終局状態と定義した。(2)交番繰り返しを受けるRC部材22本を対象に、軸方向主鉄筋比ρl、帯鉄筋比ρw、および軸圧縮応力比σ0fc´を変動因子として変位靱性率(μ=δuδy)の評価式を提案した。(3)靱性率にばらつきを考慮した特性値の槻念を提案した。(4)安定領域において、同一変位で繰り返しを行う場合、繰り返し回数が増加しても最大荷重はあるレベルよりも低下しないが、靱性に対し影響を及ぼす。(5)RC部材の交番繰り返し実験の結果より、載荷パターンは荷重−変位関係の包絡線に大きな影響を与える。ある変位に到達するまでの変位履歴が少ないほど、その描く包絡線は一方向単調漸増載荷時の荷重−変位関係に近くなる。(6)交番繰り返し荷重を受けるRC部材の履歴復元力特性を、繰り返しを受けることにより荷重が低下する現象を取り入れて、一方向単調漸増載荷の荷重−変位曲線を基本としてモデル化を行った。このとき、荷重低下の割合を軸方向主鉄筋比ρl、帯鉄筋比ρw、および軸圧縮応力比σ0/fc’を用いて定式化した。
PDFファイル名 011-01-2044.pdf


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