種別 | 論文 |
主題 | 角形鋼管でコンクリートを拘束したX形配筋の合成柱の弾塑性性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐々木良一(摂南大学工学部) |
連名者1 | 南宏一(大阪工業大学工学部) |
連名者2 | 投野修美(日本建設技術研究室) |
連名者3 | 山本裕康(大阪工業大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 2 |
先頭ページ | 305 |
末尾ページ | 310 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 鉄筋コンクリート短柱のぜい性的な破壊を防止するために、文献(1)に示されるように高圧縮力に対してコンクリートの外周を角形鋼管で被覆した拘束効果と、高せん断力に対して、せん断補強筋を必要としないX形配筋のもつ効果を組み合わせて、高圧縮力と高せん断力に対して高性能をもつ構法を考案した。そして、この構法をもつ柱は、作用軸力比がn=0.6(=N/b・D・Fc)という高軸力に対して、柱の相対変位部材角がR=5%rad.の大変形振幅においても、極めて安定した曲げ破壊による紡錘形の履歴曲線が得られることが可能であり、最大耐力以後の耐力劣化も全くみられないことが確認され、また、角形鋼管で被覆された曲げ・せん断力を受ける終局耐力はアーチ機構を形成するコンクリートの局部支圧効果による耐力増加を考察することにおいてほぼ評価できることが示された。しかしながら、この文献(1)に示された実験では、試験体の鋼管板厚が4.5mmで柱せいに対する柱長さ比がh/D=3のみで、実験変数としては配筋法と作用軸力であった。この研究結果から被覆角形鋼管(鋼管の内側とコンクリートとの間は自然付着の状態)は、柱部材角がR=5%rad.の大変形振幅にもかかわらず鋼管壁の変形が極めて微少で、そのひずみ度も弾性範囲内であった。したがって、鋼管板厚を更に薄くし実用的に経済的効果を高める可能性を残し、また更に短柱とした場合の弾塑性性状を調べる必要があった。そこで、筆者は、角形鋼管でコンクリートを被覆拘束したX形配筋の合成柱の短柱において、鋼管板厚を4.5mmより薄くし、また、柱長さ比をh/D=3より小さくした場合について、この合成柱が予想する高性能を発揮するかどうか、22体の試験体を用いて実験的な検討を行なったが、本論文は、その内容を報告するものである。 むすび 高圧縮力と高せん断力を受ける鉄筋コンクリート柱に高性能あたえる構法として、角形被覆鋼管と主筋のX配筋を組み合わせることを提案しているが、本論文は、柱長き比と被覆鋼管の板厚を主たる実験変数とした。特に鋼管の板厚のあたえる影響は、平行配筋の場合、板厚が薄くなるにしたがって、最大耐力以後の耐力低下は急激となり剛性が維持できないが、X形配筋では、板厚が薄い場合でも高軸力下における大変形振幅に対しても、極めて安定した紡錘形の履歴曲線が得られる。また、このような構法のX形配筋杜の曲げ・せん断を受けるときの終局せん断耐力は、累加強度理論に基づく終局曲げ耐力から決まる耐力と、アーチ機構を形成するコンクリートの局部支庄効果による耐力増加を考慮する耐力のいずれか小さい方で、ほぼ評価できることが示された。 |
PDFファイル名 | 011-01-2050.pdf |