種別 | 論文 |
主題 | ひびわれを含むコンクリートの圧縮劣化特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 白井伸明(日本大学理工学郡) |
連名者1 | 松井洋司(大林組) |
連名者2 | 佐藤稔雄(日本大学理工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 2 |
先頭ページ | 317 |
末尾ページ | 322 |
年度 | 1989 |
要旨 | まえがき ひびわれを含む鉄筋コンクリート(以下、RC)のひびわれに平行な方向のコンクリートの圧縮応力−ひずみ関係は、コンクリート・シリンダーに比べ、その強度・剛性とも低下することがCollinsらにより指摘された。その後、RC部材のせん断挙動を解析的にシュミレートするためには、ひびわれコンクリートの強度および剛性の低下を適切に考慮する必要があることが明かとなった。ひびわれコンクリートの圧縮特性を評価する既往の実験的研究は、加力方法により、1)せん断型と2)引張・圧縮型加力形式に分類され、両加力形式とも、ひび割れコンクリートの圧縮強度および剛性は、ひび割れに垂直な方向の平均ひずみの増大に伴って低下する結果を与えている。しかし、平均ひずみの増大に伴う強度低下率は、せん断型と引張・圧縮型の加力形式で顕著な差異が認められる。本研究では、第1ステップとして、引張・圧縮型加力によるコンクリートおよびRC平板の実験を行い、ひびわれコンクリートの圧縮特性について検討する。 まとめ 以上、ひびわれコンクートの圧縮特性に関する実験を行い、次のことが明らかになった。1)コンクリートの圧縮強度および剛性の低下は、ひびわれ発生、伝播による損傷量およびその累積過程に依存する。なお、ひび割れは、初期欠陥により近似的にモデル化できる。2)コンクリートおよびRC平板の圧縮・引張実験の場合、損傷の尺度としては、ひびわれに直交する方向の平均横ひずみ並びに鉄筋の引張力および付着特性が考えられる。つまり、強度および剛性の低下は、平均横ひずみおよび鉄筋の引張力が増すほど、また、鉄筋の付着特性が良好なほど大きい。3)ひび割れコンクリートの圧縮強度の低下は、上記2)の損傷尺度を関数とした提案式により、比較的良好に推定できる。4)ひび割れコンクリートの圧縮剛性の低下は、大むね、圧縮強度の低下に比例する。従って、ひび割れコンクリートの圧縮応力−ひずみ関係は、コンクリートシリンダーの応力−ひずみ関係を表現する既往の近似式に、強度低減係数を乗じることにより推定できる。 |
PDFファイル名 | 011-01-2052.pdf |