種別 論文
主題 クラックひずみ分布関数を用いたRC単軸要素の引張剛性に関するFEM解析の定式化
副題
筆頭著者 田辺忠顕 (名古屋大学工学部)
連名者1 呉智深(名古屋大学大学院)
連名者2 加藤千貴 (名古屋大学学部生)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 399
末尾ページ 404
年度 1989
要旨
RC構造物における耐荷力は、一般的に引張部に配置された鉄筋によって支配され、クラック断面の断面強度が主たる計算対象となり、引張側のコンクリートの寄与は殆どない。しかし、RC構造物の変形に対しては、引振側のコンクリートの寄与が非常に大きく、この効果に対して近年多くの研究がなされるようになった。これは、原子力発電所格納容器やLNGタンク、大橋梁橋脚など、重要構造物が、RC構造として建設され、地震などを想定した限界状態の変形余裕度が、エネルギー吸収の立場から大きく注目されるようになったからである。さて、この引張側の剛性は、ひびわれとひびわれの間のコンクリートと鉄筋との付着作用によって生じる。そして、その剛性は、ひびわれの発生、進展によって徐々に低下し、特有の非線形性状を呈す。従来、引張剛性のモデル化は有限要素法、簡易近似計算の両分野で数多く提案され、ひび割れコンクリートの軟化曲線として表現きれる場合が多い(Scanlon(1971)、Lin Scorde1is(1973))これらは引張硬化作用を付着機構、あるいは鉄筋量とは無関係に定めており、鉄筋のひずみは変位関係の一次微分として与えている。すなわち、鉄筋に対しては付着によるひずみ分布が考慮されていない事になっている。そこで本研究では、クラックひずみ分布関数を用いて鉄筋応力の付着効果による剛性の増大を簡易に有限要素法に取り入れるための検討を行った。とりあえず変位関数を数種に変えて、一軸引張剛性の非線形性挙動を合理的にかつ、簡易に取り扱う方法を提案する。そして、これを有限要繋法に適用し、数値シュミレーション結果を既往実験結果と比較する事によりその妥当性を検証する。
結論
本解析は、軸方向力のみが作用するRC部材を対象として、クラックひずみ分布閲数を適当に仮定することによってtension stiffness効果を簡易に有限要素法に導入する方法について述べたものである。3において既往実験3例を引用して実験結果との比較、検討を行い本非線形解析法の妥当性を検討した。なお本報告では一次元のみを取り扱ったが、2次元、3次元問題への拡張は比較的容易であると考えられ、現在その作業を行っている。また本計算には厳密的な形状関数を用いるより、これを直線変位場で近似できるならばより簡易的に計算がなされる。特に2次元、3次元問題を考えたとき直線変位場を用いるほうがより拡張しやすい。実際に計算を行った結果から、クラックひずみにおける定数aに適当な値を用いることにより近似できる事が分かった。
PDFファイル名 011-01-2066.pdf


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