種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート床スラブの長期たわみ解析とその適合性について |
副題 | |
筆頭著者 | 杉野目章(室蘭工業大学) |
連名者1 | 井野智 (北海道大学工学部) |
連名者2 | 伊藤正義(北海道工業大学) |
連名者3 | 吉野修司(北海道大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 2 |
先頭ページ | 417 |
末尾ページ | 422 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 筆者らは先に、曲げひび割れの生ずる床スラブを、柱列帯と柱間帯でブロック分けし、スパン方向の剛性がブロックごとに異なる直交異方性床板と考え、使用荷重下における初期たわみとコンクリートの時間依存性を考虜した長期たわみ解析を行った。この解析法は、計算上ひび割れと配筋の実状を十分に表していないなどの難点があり、これらを補うためには、床スラブのスパン方向の剛性分布が不均一な、いわゆる変断面部材としての解析が必要である。本報告では、二方向床スラブをスパン方向に等分し、各節点の断面性能を修正しながら差分法による弾性解析を繰り返して初期たわみを求め、さらにコンクリートの材料性状を修正することにより任意材令における長期たわみを予測し得る方法を提案し、本解析法を既往の長期載荷実験および実在損傷床スラブに適用してその適合性を検証したのち、改定後たわみ障害発生の苦情が聞かれなくなったと言われている日本建築学会の現行RC規準(以下、学会RC規準という)のスラブ厚規定によって設計した床スラブの長期たわみ予測値から、床スラブのたわみ限度の設定を試みた。 おわりに 以上は、曲げひび割れの発生によって剛性分布が不均一となる二方向床スラブの初期および長期たわみ解析法を新たに提案し、既往の長期載荷実験等と比較してその適合性を検証したもので、本解法による多数の長方形床スラブのたわみ計算の結果から以下の事柄が明かとなった。1)弾性たわみを基準とした長期たわみ倍率は6〜12の範囲に幅広く分布し、2)同倍率を16と仮定して導いた現行の学会RC規準スラブ厚規定は十分安全であり、3)これによって設計した床スラブの使用荷重下の長期たわみが短辺スパンの1/360以上となることはほとんどない。規準改定後たわみ障書の苦情が聞かれなくなったことから、4)スラブの許容たわみ率を1/350と設定すると、5)スラブ厚が規準値以下でも設計可能である。6)スラブ厚が規準値以上ならば長期たわみの検討は不要であるが、7)大規模な床スラブでは規準の所要厚が過大となるため大ばりの変形を含む長期たわみが総量規制値20mmを超えることがある。 |
PDFファイル名 | 011-01-2069.pdf |