種別 | 論文 |
主題 | 軸鋼材を内蔵するコンクリートの圧縮性状に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 宮内靖昌(竹中工務店技術研究所) |
連名者1 | 東端泰夫(竹中工務店技術研究所) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 2 |
先頭ページ | 501 |
末尾ページ | 506 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 本研究は、通常より断面積の小さなH形鋼(以下、輔鉄骨と略す)を内蔵するSRC柱の基本的な性状を把握するための実験的研究であり、軸方向鋼材量および横拘束筋量が、より高強度なコンクリート(360kg/cm2程度)を用いたSRC柱の圧縮性状に与える影響を、特に大変形時の保有強度に主眼を置いて検討したものである。コンクリートで拘束された鉄骨の座屈性状については、柴田等の研究があり、鉄骨要素の局部座屈時の変形性能を検討している。しかし、コンクリートと鋼材に同時に圧縮力を載荷しておらず、共同して外力を負担するSRC柱の圧縮性状を把握するために、コンクリートと鋼材に同時に圧縮力を載荷することも重要であると考えられる。一方、横拘束筋がRC柱の圧縮性状におよぼす影響については、筆者等も検討しており、横拘束筋は、囲型配筋が有効であることを明らかにした。従来のSRC柱では配筋不可能なこの囲型配筋の有効性を、断面積の小さな軸鉄骨内蔵のSRC柱で確認することにより、高強度コンクリートを用いたSRC柱の圧縮性状に対して、RC的な考察を試みることも本研究の狙いである。 結論 比較的断面積の小さな軸鉄骨を内蔵するSRC柱の純圧縮性状を確認するため、軸鋼材量、コンクリート強度、横拘束筋量を因子とする実験を行い、以下の結論を得た。1)コンクリートを横拘束筋で十分に拘束すると、軸鉄骨の塑牲ひずみが増大しても強度低下しない。2)横拘束筋は、口型配筋より囲型配筋が大変形時での強度保有性能の向上に有効である。3)軸鋼材の負担軸力を除去したコンクリートのみの負担軸応力度推定値σCに関して以下の考察ができる。(a)全体降伏点におけるコンクリートの負担軸応力度と横拘束強度Pw・σwyの関係は明確ではない。(b)軸ひずみ度が1%、2%、3%での保有強度を検討した結果、軸ひずみ度が増加するに従い、保有強度に与える横拘束強度Pw・σwyの効果が明確となる。(c)コンクリート強度σCの影響はσC/σBに対してPw・σwy/σcBを因子とすれば、ほぼ把握することができる。4)コンクリートの破壊面を仮定し、単純な軸力抵抗機構を想定することで、軸ひずみ度3%時点の保有強度をほぼ推定することができる。以上、限られた因子と水準による検討であるが、軸鉄骨を内蔵するSRC柱の純圧縮性状を、大変形時の保有強度に主眼を置き把握することができた。 |
PDFファイル名 | 011-01-2084.pdf |