種別 | 論文 |
主題 | 圧縮力を受けるコンクリートブロックからなる組積プリズムの破壊挙動に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 窪田敏行(近畿大学理工学部建築学科) |
連名者1 | 村上雅英(近畿大学理工学部建築学科) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 2 |
先頭ページ | 603 |
末尾ページ | 608 |
年度 | 1989 |
要旨 | 研究目的 昭和59年度より5か年計画で、建設省建築研究所を中心に組積造の日米共同大型耐震実験研究の一環として、コンクリートブロック又はれんがブロックを鉄筋で補強し、グラウト材を全充填することにより強度を増した補強組積造(RM構造)を用い、5階建まで可能にすることを目指した研究が行われてきた。平成元年度にはその設計指針が示される予定である。その設計及び強度管理にはプリズム圧縮強度を用いることが規定されている。馬場、千歩は、1次元並列バネモデルに基づき、組積単体と充填コンクリートの強度からプリズム圧縮強度を推定する実験式を提案している。その実験式では、素材の累加強度とプリズム強度の差を組積係数の導入によって修正している。一般に組積単体と充填コンクリートの力学的性質は異なっており、そのため、組積プリズムが圧縮力を受けると組積単体が充填コンクリートの膨張を拘束し、組積プリズム全体の圧縮強度は素材の1軸圧縮強度の和よりも高くなることが、れんがブロックからなる組積プリズムで実験的に確認されている。そこで、筆者らは、それらの効果を考慮した組積プリズムの圧縮強度の推定式を文献2で提案した。本研究では、文献2で提案した推定式のコンクリートブロックからなる組積プリズムヘの適応性を検討する。また、組積プリズムの圧縮強度は200ton付近となり、圧縮試験機の容量不足により試験不可能な場合が生じる。そこで半分に切断した組積単体を用いた半寸プリズムの圧縮強度から全寸ブリズムの圧縮強度を推定することにより試験方法の簡便化を図ることを目的として、半寸プリズムの試験体を製作し圧縮試験を行い、半寸プリズムと全寸プリズムの破壊挙動の相違を比較検討する。 まとめ 各種の比較実験から、コンクリートブロックからなる組積プリズムの圧縮強度は文献2で提案した推定式でほぼ推定できることが確認された。また、本実験で得られた新たな知見を以下に示す。(1)充填コンクリートの力学的性質は、コンクリートシリンダーのものと全く異なっており、組積プリズムの最大強度を精度良く推定するためには、充填コンクリートの圧縮強度を正確に評価することが重要である。(2)組積プリズム中の組積単体の負担圧縮力の推定には、組積単体を直接圧縮試験した結果を用いると、実験値とよく一致する。(3)組積単体の拘束による充填コンクリートの圧縮強度の増加分は、ウェブの引張強度を用いた推定式でほぼ推定できる。(4)組積単体を半分に切断したHB3Jでは、空洞部が解放型であるため、組積単体による充填コンクリートヘの拘束がほとんど生じないため、式(1)の第2項を無視した推定式でその最大耐力をほぼ推定できる。また、HB3Jの最大強度は、0R3Jよりも低くなるため、試験法の簡便化の観点では安全側の評価が得られる。 |
PDFファイル名 | 011-01-2101.pdf |