種別 | 報告 |
主題 | 鋼橋床版への膨張コンクリートの適用効果に関する調査研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 庄谷征美(八戸工業大学) |
連名者1 | 杉田修一(八戸工業大学) |
連名者2 | 児玉勝彦 (日本道路公団) |
連名者3 | 安齋康雄 (日本道路公団) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 11 |
号 | 1 |
先頭ページ | 517 |
末尾ページ | 522 |
年度 | 1989 |
要旨 | はじめに 道路橋のRC床版の損傷対策は近年の道路橋維持の重要な課題であり、各機関において鋭意調査、研究が実施されてきた。その結果、床版の損傷の直接的原因としては従来喧伝されていた過荷重によるものは少なく、むしろコンクリートの乾燥収縮、温度応力により生じた欠陥や、施工の不完全さに起因することが明らかにされている。道路公団では、乾燥収縮による初ひびわれの低減を特にコンクリート床版の耐久性改善の方策として重視し、そのため既に、諫早ICランプ橋を初めとして4橋の床版に膨張コンクリートを適用し、その効果が調査された。ひびわれ防止に有用な膨張材単位量とその時点の膨張量、さらにはケミカルプレストレスの大きさも橋梁形式との関連で検討されている。東北自動車道八戸〜一戸間の建設に伴い、寒冷地では初めての膨張コンクリート床版の試験施工が計画された。寒冷環境下に特有な床版損傷も懸念されるため、ひびわれ防止効果の確認も含め膨張コンクリートが床版の耐久性改善にどの程度有効か知る必要があり、長期試験による追跡が計画されたのである。本報告は、岩手県九戸郡に建設された、同自動車道橋長170.0mの4径間連続鋼桁橋丸木橋上り線に打設された膨張コンクリート床版の3年半までの性状変化を同形式新井田橋の普通コンクリート(常用コンクリート)床版との対比を通して検討し、考察を加えたものである。 まとめ 東北自動車道の一鋼橋床版に膨張コンクリートを試験施工し、3年半の調査を実施した。膨張材を収縮補償の範囲で用いても床版コンクリートは6〜9kgf/cm2のケミカルプレストレスが導入された。材令500日以降でプレストレスはほぼ収縮応力と相殺され失われたものと推察されたが、ひびわれ速さや幅、さらにはひびわれの量的な面で常用コンクリートに比べ格段に改善されていることが確かめられた。融氷剤散布による塩害や凍害、さらにこれらの複合作用による劣化が今後懸念される所であるが、膨張コンクリートはこれに対し十分有効に効果を発揮するものと考えられる。今後さらに調査を継続する必要がある。 |
PDFファイル名 | 011-02-1086.pdf |