種別 報告
主題 フープ筋付プレキャスト型枠を用いたRC柱部材に関する実験研究
副題
筆頭著者 松崎育弘 (東京理科大学)
連名者1 関口智文(東京理科大学)
連名者2 池田正基 (東急建設)
連名者3 青木雅秀 (東急建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 661
末尾ページ 666
年度 1989
要旨
近年建築現場において、型枠大工・配筋工などの職人の不足及びそれに伴う労働賃金の上昇等が深刻な問題になっている。このような状況のもと、現場での作業量の削減、工期の短縮を目的とした施工の合理化、品質の向上等を目指してRC造のプレキャスト(以下PCa)化が注目されている。なかでもPCa造の利点と在来のRC造の施工性・柔軟性を合わせもつハーフPCa造はここ数年その研究・開発が盛んになってきている。ハーフPCa造は型枠工事の作業量・工費の削減に注目し、建設工事全体の労働生産性を高めようとするものである。現在のRC造における柱部材は、一部でオールPCa部材の利用がなされているものの、その大きさから作業性・輸送性・コスト的な問題があり、いまだ場所打ちRCが主流となっている。またPCa型枠工法においても非構造体の埋め込み型枠として評価しているのが一般的である。 本研究は、フープ筋と隅角部に位置する主筋を埋め込んだ薄肉中空PCa部材を型枠としてはもちろんのことそれを構造体として用い、中空部に場所打ちコンクリートを打設し両者が構造的に一体化するように意図したPCa柱部材(以下PCa部材)を提案し、この部材がもつ基礎的な構造性能を把握しようとするものである。
結論
以上述べたような本PCa柱部材のせん断・曲げ実験により次の結果が得られた。 1)本研究で提案したシアコッター付きPCa柱部材(TPCタイプ)は、せん断耐力・せん断耐力時の変形性能ともに一体打ちの柱部材とほぼ同等に評価でき、PCa部と後打ち部は最大耐力時まで一体性を保っていると思われる。 2)シアコッター無しのPCa柱部材(TPNタイプ)は、一体打ち・TPCタイプに比べ若干低いせん断耐力を示しており、低荷重レベルから中央部に分散したせん断ひび割れが発生し、 PCa部と後打ち部が違った挙動を示すのでこの点に注意を要する。 3)曲げ降伏耐力及び曲げ降伏以後の履歴性状については、TPC、TPN両タイプとも一体打ちの柱部材と同等に評価できる。また、曲げ降伏以後のひび割れ性状については、TPCタイプは一体打ちとほぼ同様であるのに対して、TPNタイプはPCa部中央にかなりのせん断ひび割れが見られた。
PDFファイル名 011-02-1111.pdf


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