種別 報告
主題 プレキャスト版を用いて鋼橋の床版を打替える工法におけるスラブ止めの実験研究
副題
筆頭著者 宅間善三郎(オリエンタルコンクリート)
連名者1 今井昌文(オリエンタルコンクリート)
連名者2 檜貝勇(山梨大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 739
末尾ページ 744
年度 1989
要旨 まえがき
鋼道路橋の鉄筋コンクリート床版においてひびわれや陥没などの劣化損傷が顕著になり始めて20年以上が過ぎた。その間、関係各機関で種々の調査、検討が実施され、その結果新設の橋梁に対しては、諸対策が基準化されるに至っている。 一方、劣化損傷したコンクリート床版に対しては、その損傷の状況に応じて鋼板接着、増桁、増厚等の補修、補強による延命策が取られてきたが、決定的なものではなく、最近では、抜本的な対策として、全面打ち替えによる改修を行う事例が増加して来ている。そして、それらは工期短縮と品質確保の面から、プレキャストコンクリート版(以下プレキャスト版と言う)を用いる工法が多く採用されている。 筆者らは、床版打ち替え工事のうち、非合成桁の床版をプレキャスト版を用いて打ち替える場合の床版と鋼桁との一結合方法として、鋼桁上フランジに結合のための新たな溶接や穴開けを行ったり、プレキャスト版に箱抜き等の大きな欠損部分を設けたりせず、鋼桁上フランジの断面変化や添接板等の不陸に容易に対応出来る工法について、その基礎的実験を行ったのでここに報告する。
結論
本実験の結果の範囲では次のことが言えると思われる。 (1)実験の対象とした結合方法の場合、押えのプレートに降伏が生じないようにすれば、床版下面と鋼桁上フランジ上面との間にモルタルを充填した場合でも、少なくとも90mm程度までは、モルタルの厚さに関係なくほぼ同じ状態を示す。 (2)場所打工法の終局曲げ耐力(1.8ton)に相当する荷重以前に押えプレートが降伏しないよう部材設計を行えば、プレキャスト工法は在来の場所打工法とほぼ同じ機能を有すると評価出来よう。因みに、このような考え方で押えプレート厚を求めると、プレート厚は21mmとなる。 (3)上揚力に対し、在来の場所打ち工法のスラブ止めと同等若しくはそれ以上の耐力を有する。 (4)すべりに対しては、鋼桁上面に溶接された既設のスラブ止めの一部を利用することにより、在来の場所打工法のスラブ止めと同程度の耐力を期待することが出来る。 鋼橋の損傷を受けた鉄筋コンクリート床版をプレキャストコンクリート版で打ち替える際の、桁と版との一結合方法について基礎的な検討を行った。今後引き続き、桁モデルおよび床版モデルによる安全性(疲労も含め)の検討、充填モルタルの衝撃力に対する安全性の検討などを実施する予定である。
PDFファイル名 011-02-1125.pdf


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