種別 報告
主題 限界状態設計法による高架橋の設計
副題
筆頭著者 竹内研一(JR東日本東北工事事務所)
連名者1 石橋忠良(JR東日本東北工事事務所)
連名者2 高木芳光(JR東日本東北工事事務所)
連名者3 大庭光商(JR東日本東北工事事務所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
11
2
先頭ページ 241
末尾ページ 244
年度 1989
要旨 はじめに
奥羽本線福島・山形間に新幹線からの直通列車を運行する計画が現在進行中である。これに伴い、福島駅新幹線ホームから奥羽在来線への取付部にビームスラブ式ラーメン高架橋を新設することになった。この高架橋の設計に当り、限界状態設計法を採用した。鉄道橋における限界状態設計法を規定した図書としては、旧国鉄時代に作成された「限界状態設計法による建造物設計標準(案)」があるが、本設計もこれを基本として設計を行った。以下に本設計の概要及び結果について報告する。
まとめ
本設計の結果より、ラーメン高架橋の設計における限界状態設計法と従来設計法の相違について以下のことがわかる。1)ラーメン上層の縦梁については、条件によりクリティカルな要因(疲労、ひびわれ、破壊等)が異なることが予想されるので、限界状態設計法を導入した場合の一般的な傾向はない。断面が疲労限界状態で決まる場合には、従来設計法と基本的に変わらない。使用限界状態(ひびわれの検討)で決まる場合には、必要主鉄筋量が減少する。また、終局限界状態(地震時)で決まる場合には、構造物の変形性能を大きく設定すれば必要主鉄筋量が減少する。なお、本設計では支点部は各法とも使用限界状態で決まったが、主鉄筋量は断面寸法に影響するほど大幅には減少しなかった。2)スラブのせん断耐力は、一般に従来設計法より厳しくなることが予想される。3)その他の部材については、概ね終局限界状態(地震時)で決まることが予想されるので、構造物の変形性能の設定により必要主鉄筋量が変わる。但し、本設計の範囲では、変形性能を最も大きく設定したC法においても、必要主鉄筋量は断面寸法に影響するほど大幅には減少しなかった。地震の影響を含む終局限界状態で決定される部材は、基本的には耐震設計の考え方に支配されるため、限界状態設計法によるラーメン高架橋の設計において実質的に問題となるのは上層梁及びスラブの設計であると考えられる。特に、スラブのせん断耐力については、従来設計法により設計された構造物に特に問題が生じていないことを考えれば、本設計で設定した“荷重に乗ずる係数”に再考の余地があるか、あるいはスラブのせん断力を算出する際に仮定したモデルが、せん断力分布の実態を反映していない可能性も考えられる。この点については、今後設計モデルも含めた検討をしていくことが必要であると考えられる。
PDFファイル名 011-02-2039.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る