種別 | 論文 |
主題 | フライアッシュ起源超微粉末を混入したセメントペーストの基礎物性 |
副題 | |
筆頭著者 | 松藤泰典(九州大学工学部) |
連名者1 | 大久保孝昭(九州大学工学部) |
連名者2 | 原田志津男(九州大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 129 |
末尾ページ | 134 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに コンクリート強度を高強度化する手段の一つとして、シリカフュームを普通ポルトランドセメントの一部に置換して用い、普通ポルトランドセメント単味使用の場合より、高強度を発現させる方法がある。シリカフュームを混和することによる高強度化への寄与は、シリカフュームが化学的に活性で、且つ超微粒子であることに因ると考えられるが、後者の粒子径が小さいことがどの程度高強度化に寄与しているかについては、シリカフュームが産業副産物であり、結果として、超微粒子状態になっているところから、その粒径を自由に変化させて寄与の程度を評価するに至っていない。筆者等は、シリカフュームのような活性超微粒子を用いてコンクリートの物性を改善するには、超微粒子の粒径及び粒度分布の影響を定量的に明らかにすることが重要であると考える。本研究は、超微粒子領域の粒径の影響の定量的な把握を目的とするものであるが、シリカフュームの粒径が上述のように自由に調整できないところから、その点に関して自由度を有するフライアッシュ起源の超微粉末(以下、ネオフューム、記号NFと略称する)を用いて解明しようとするものであり、その基礎的研究として、本報では、シリカフュームとほぼ同じ粒度に調整したネオフュームの強度発現性状について考祭するものである。実験では、普通ポルトランドセメントの一部をネオフューム及びシリカフュームで置換した低水結合材比30%のフレッシュペースト及び硬化ペーストの性状について比較検討を行った。 まとめ 本研究の結果を要約すれば以下のようになる。1)フレッシュペーストの流動性に関しては、超微粉末を多量に置換した場合、ネオフュームは、高減水性混和剤による、流動性の改善に関して市販のシリカフュームと比較して、容易である。2)硬化ペーストの圧縮強度試験結果、ネオフュームで置換したセメント硬化体は、シリカフュームで置換したセメント硬化体と同様の強度発現性状を示し、高強度コンクリート用混和材としての可能性がある。3)ネオフュームで置換した硬化ペーストの弾性係数は、シリカフュームとほぼ同様の傾向を示した。4)以上のようにネオフュームで置換したセメント硬化体の力学性状はシリカフュームで置換したセメント硬化体とほぼ同様であるが、SiO2含有量はシリカフュームと比較して少なく、30m2/g程度の超微粉末が十分に分散されていたか否かについて今後更に検討する必要がある。なお、ネオフュームは前述したように、粉末度、化学組成に関し、比較的容易に調整可能な工業材料であるため、今後、種々の目的に応じ、シリカフューム同様有効なコンクリート用混和材となる可能性を有するものと考えられる。 |
PDFファイル名 | 012-01-1020.pdf |