種別 論文
主題 高強度鉄筋コンクリート柱のクリープおよび乾燥収縮特性
副題
筆頭著者 山本俊彦(東急建設技術研究所)
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キーワード
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先頭ページ 157
末尾ページ 160
年度 1990
要旨 はじめに
近年、高強度コンクリートを用いた超高層鉄筋コンクリート構造物が数多く建てられるようになってきた。これらの超高層鉄筋コンクリート構造物では床の水平度や外装材の変形の点から、コンクリートのクリープおよび乾燥収縮が重要な問題となってくる。しかし、これまでのところ高強度コンクリートのクリープや乾燥収縮に関する資料は少なく、実験もほとんど無筋の小型試験体で行なわれており、高強度鉄筋コンクリート部材の長期変形特性を十分解明するには至っていない。一方、超高層鉄筋コンクリート構造物では柱の受ける軸力がかなり大きく、一旦地震により柱が大きな損傷を受けた場合、柱の軸方向剛性の低下やクリープの増大により構造物全体の長期的な変形が著しく大きくなる恐れがある。このため、本研究では、3体の高強度鉄筋コンクリート柱試験体を用いて、高強度コンクリートのクリープ、乾燥収縮、および地震により大きな損傷を受けた後の柱のクリープ特性を調べた。
まとめ
高強度鉄筋コンクリート柱のクリープおよび乾燥収縮実験で以下のことが明らかになった。1)高強度鉄筋コンクリート柱試験体の乾燥収縮は材令170日で250μ程度で、10cm角の標準乾燥収縮試験体による値の約50%となった。試験体柱の終局乾燥収縮歪は400μ前後と予測されるが、実際の柱では断面が試験体よりも大きいことから、これより小さくなると考えられる。2)高強度鉄筋コンクリートのクリープはかなり小さく、鉄筋コンクリート柱としてのクリープ係数は材令170日で0.57であった。終局時のクリープ係数は1.4程度と予測される。3)大地震による被害を想定し曲げせん断実験で柱層間変位1/100、軸方向の平均コンクリート歪3600μを経験させた高強度コンクリート柱の長期的な歪は、地震荷重を受けない場合に比べ1.2〜3.6倍とかなり大きな値を示した。歪の増大は柱脚塑性ヒンジ部で著しいが、歪の増大原因は主に曲げせん断実験時の残留歪と軸方向の剛性低下によるものである。4)地震により大変形を生じても横補強筋による拘束が十分であれば、クリープ歪はコンクリートの圧壊が生じた柱脚塑性ヒンジ部でも地震荷重を受けない場含の1.2倍程度で、クリープ歪が著しく増大することはないと考えられる。
PDFファイル名 012-01-1025.pdf


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