種別 | 論文 |
主題 | 応力履歴を受けたコンクリートのクリープ特性に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 綾野克紀(岡山大学工学部) |
連名者1 | 檜垣智(岡山大学大学院) |
連名者2 | 大西幸雄(香川県庁) |
連名者3 | 阪田憲次(岡山大学工学部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 167 |
末尾ページ | 172 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 変動応力下にあるコンクリートのクリープひずみを解析するために、クリープひずみの重ね合せ則がよく用いられる。変動応力下のクリープひずみの挙動を規定する法則には、重ね合せ則の他にクリープ硬化則がある。クリープの重ね合せ則が、応力増分によって生じるクリープひずみがそれと同じ大きさの応力によって生じるバージンクリーブひずみと同一であるとするのに対して、クリープ硬化則は、過去に受けた応力履歴の影響を考慮して応力増分によるクリープひずみを決定しようとするものである。クリープの重ね合せ則と従来のクリープ硬化則の共通点は、クリープひずみと時間の関係を規定することにより、任意時間の応力増分によるクリープひずみを求めようとするところである。従って、クリープの構成方程式が線形式であれば、これらの法則に基づく計算値は線形または構成方程式の時間項の関数形に従うことになり、応力履歴を受けるコンクリートのクリープひずみを必ずしも適切に表すことのできない場合がある。本論文は、応力履歴を受けたコンクリートのクリープひずみの持続応力に対する非線形性を実験的に明らかにし、非線形性を考慮した新たなクリープ硬化則を確立することを目的とする。 まとめ 応力履歴を受けたコンクリートのクリープひずみが、過去に受けた最大持続荷重の影響を受ける非線形性な現象であることを実験的に明らかにすることができた。また、このように非線形な現象をバージンコンクリートのクリープひずみ-弾性ひずみの関係を用いて表す、新たなクリープ硬化則を提案した。さらに、実際の設計において、クリープ構成方程式(またはクリープ予測式)が与えられていて、応力履歴に荷重休止期間がなければ、いかなる変動応力下の(連続的に応力が変化する場合でさえも)コンクリートのクリープひずみをも予測できることを示した。従って、荷重休止期間の影響について今後検討すべき問題を若干残しているが、本論文で示したクリープ硬化則を用いることにより、圧縮荷重下の考えられる全ての応力履歴を受けるコンクリートのクリープひずみを予測することが可能であると思われる。 |
PDFファイル名 | 012-01-1027.pdf |